自治体のLINE活用方法とは?導入が増加する理由やメリットを解説!活用事例も紹介
お役立ち情報
2022/09/16
近年、ユーザーに対し、LINEを使ってリアルタイムに情報を配信できる「LINE公式アカウント」の活用が、企業だけでなく行政でも増えてきています。 すばやく確実に、多くの住民に市政情報を届けられるLINEは、ユーザーと自治体双方にメリットが多く、今後も多数の自治体で導入が進むと予想されています。
今回の記事では、自治体でのLINE活用方法や導入が進む理由、LINE活用のメリットを解説。行政でのLINE公式アカウントの具体的な活用事例も紹介します。
自治体でのLINE活用が増加中
地方自治体ではWebサイトやメール・電話に加え、LINEを活用したサービスの提供が進んでいます。 LINEの利用率は増加を続けており、2021年の総務省の調査によると、全世代で92.5%が利用しているというデータが報告されています。世代別のデータでも、82.6%となった60代の他は、10代から50代で90%を超え、社会インフラとして欠かせないコミュニケーションツールとなっており、情報配信手段として企業や自治体で重要な役割を果たしています。
また、LINE社も2019年に、地方公共団体向けLINE公式アカウントの利用料が無料となる「地方公共団体プラン」を発表し、地方自治体でのLINE活用を積極的に推進しています。
▼参考 総務省「令和3年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」 https://www.soumu.go.jp/main_content/000831289.pdf
LINE株式会社マーケティングソリューションカンパニー「LINE公式アカウント 地⽅公共団体プラン 媒体資料」https://www.linebiz.com/sites/default/files/media/jp/download/line-local-public-plan.pdf
LINE公式アカウント活用のメリット
情報発信手段にはメールや電話、SNSなどさまざまな方法がありますが、その中からLINEを選ぶことには多くのメリットがあります。LINEには「すばやく」「適切な情報を」「確実に」届けられるという特徴があり、自治体の住民に情報を配信する際には、LINE公式アカウントが最適といえるでしょう。 主なメリットとして、以下の3つが挙げられます。
スマホで気軽に情報を得ることができる
今や生活に欠かせないツールとなっているスマートフォンで情報を受け取ることができるのは大きなメリットです。 常に持ち歩き定期的にチェックする人も多いので、友人や家族とのコミュニケーションと同じように、やり取りや情報の受信が可能で、スムーズに情報を得ることができます。
電話やメールに比べて気軽にコミュニケーションができる
SNSを多用する若者には、電話でのコミュニケーションが苦手という方も少なくありません。LINEを活用することで、幅広い世代の住民とより近い距離でのコミュニケーションが可能になります。 本文を読まないと宛先や内容がわからなかったり、多くの配信にまぎれてしまう場合があるメールに比べ、LINEは短いメッセージや既読の確認も簡単です。 また、TwitterやFacebookでの投稿では、全員に対して同じ内容の情報発信しか行えませんが、LINEなら1人ひとりの欲しい情報に合わせた配信(セグメント配信)が可能なことも、メリットの1つです。
リアルタイムで情報の伝達が早い
自治体が配信する情報には、災害情報など緊急性が高いものがあります。 LINEを使えば、避難情報や避難所の情報などを、リアルタイムかつ迅速に伝えることができます。 しっかりとした災害対策が必要な行政にとって、住民に今の情報を届け、既読の有無をすぐ確認できることは、大きなメリットといえるでしょう。
自治体のLINE公式アカウントの活用方法は?
では、自治体のLINE公式アカウントはどんなシーンで活用されているのでしょうか? 地方自治体でのLINE活用事例は、主に下記の3つに分けられます。
市政情報の発信
まずは、市政に関わる情報の配信です。多くの地方自治体が、LINE公式アカウントの「友だち」になった住民に対し、生活に関係するさまざまな情報の配信を行っています。 観光情報や子育て、福祉や健康・医療に関するサービス、防犯・防災、ごみやリサイクルに関する情報など、発信される内容は多岐にわたり、HPへリンクさせることで、より詳細な情報にスムーズにアクセスしてもらうことも可能です。
問い合わせや相談窓口
LINE公式アカウントでは、直接メッセージを受け取ることができ、1対1のやり取りも可能なので、問い合わせや相談窓口としても多く活用されています。 これまで、メールや電話で行われていた
- 行政サービス全般の問合せ受付
- 粗大ゴミ回収受付
- いじめ相談、虐待相談
- 道路や公園の破損の通報受付
などに対応する窓口が、自治体のLINEアカウントで多数開設されています。 また、新型コロナウイルスの拡大を受け、LINEを活用した「メンタルケア」や「学習相談」なども行われるなど、LINEを活用した相談対応も事例が増加しています。
災害情報などの緊急連絡
緊急連絡手段としてもLINEが活用され、防災情報や災害情報、避難所や救援物資に関する災害後の復興情報などが発信されています。
被災状況の連絡に加え、道路や公園の破損・不具合、ごみの不法投棄、河川の護岸ひび割れに関する通報なども365日24時間、対応することが可能です。 災害が起こってしまった場合だけでなく、危険個所の早期発見・安全確保に対する取り組みや、災害に備えての防災・減災に対する取り組み、災害復興に向けた取り組みにも活用されています。
自治体のLINE公式アカウントの活用事例をご紹介
続いては、実際に自治体のLINE公式アカウントがどのように活用されているのか、具体的な活用事例を紹介していきます。
東京都 東京都 新型コロナ対策パーソナルサポート
東京都では、LINE公式アカウント「新型コロナ対策パーソナルサポート@東京」を新設しました。 LINE公式アカウントの開設から数日で登録者が急増。数十万人の都民が登録しています。 自身の健康状態や年齢、持病などを入力するだけで、1人ひとりに合わせた新型コロナウイルス感染症に関する情報の受信が可能。
地域ごとの感染リスクをマップにした「新型コロナ警戒マップ」など最新の情報を配信しています。 また新型コロナウイルスの情報だけでなく、水道や税金、運転免許やパスポートなどの行政手続き、防災情報などもすばやく発信できるようになりました。
大阪府堺市「不具合通報」サービス
大阪府堺市では、道路公園等の不具合を住民がLINEで24時間いつでも通報できる「不具合通報」サービスを導入しました。 住民生活の安全確保に欠かせない、道路や公園、街灯などの不具合・損傷などについて、LINE上で手軽に通報できるチャットボットで、職員は住民から寄せられた写真と位置情報から迅速に安全措置や修理対応を行うことができます。 通報の負担を軽減し、より多くの情報を効率よく収集でき、職員による業務時効率もアップさせされると期待が集まっています。
堺市は、利用状況を検証しながら、職員の負荷が減ったか、市民の利便性が向上したかなどを検証し、よりよい住民サービスの提供につなげていきたいとしています。
岐阜県美濃加茂市 あい愛バス
岐阜県美濃加茂市では、高齢社会が進む中、買い物や通院などの生活の足として利用してもらおうと、コミュニティバス「あい愛バス」を運行しています。 子どもから高齢者までが「ここちよく定住できるまち」を目指し、誰にでも身近で気軽に利用できる移動手段として、乗車料金は一般が100円、中学生以下や障がいのある方は無料に設定されています。 さらに利用者の利便性を高めるために「あい愛バス」では、LINEを使ってバスの現在位置を確認できるシステム「MOQUL(モークル)」を導入しています。 「MOQUL(モークル)」は、15秒ごとに更新されるバスの現在位置をリアルタイムで確認することが可能。各路線ごとのアカウントを友だち登録後、トーク画面で「今どこ?」ボタンを押すだけと高齢の方にも使いやすい簡単操作です。 「バスがいつ来るのか?」「もうバスは行ってしまったのではないか?」といった不安を解消することにつながり、より地域に密着した利用しやすいバスの運行に重要な役割を果たしています。
まとめ
- 全世代で利用率が9割を超えるLINEは情報発信手段として注目され、LINE社も自治体での利用を推奨
- LINE公式アカウントには、スマホで気軽に確認できる、すばやくリアルタイムで受信できるなど多くのメリットが
- 自治体の主な活用方法は、市政情報の発信、問い合わせや相談窓口、災害情報などの緊急連絡の主に3つ
- LINE公式アカウントは、新型コロナ情報配信やコミュニティバスの位置情報確認など、さまざまな自治体で重要な役割を果たしている