保育園の送迎バスの運行実態とは?問題点についても詳しく解説
幼稚園、保育園運営
2023/02/17
近年、少子化や共働き増加に伴い、安全確保や負担軽減のため、園選びの際に送迎バスがあるかどうかをポイントにしている保護者が増えています。
その一方、送迎バスの運転を保育園の職員が担当するケースも多く、慢性的な人手不足が続く保育施設では負担が大きくなっており、安全面に不安を感じる声も聞かれます。
この記事では、保育園での送迎バス普及状況や送迎バスが抱えている問題、それを解決する位置情報通知システムのメリットについて解説します。
送迎バスのある保育園はまだまだ少数
保育園に通うためには、基本的に保護者による送迎が必要になります。
登園時間に合わせて毎日送迎を続けるのは負担になりますし、自宅から離れた園に通う場合には、その負担がさらに大きくなります。
そんな問題を解決してくれるのが、自宅の最寄りスポットから保育園まで送迎してくれるバスです。そのため、自宅から遠い園へ子どもを通わせる場合、送迎バスがあることを園選びの条件にする保護者も多いといいます。
しかし、社会福祉法人日本保育協会が実際に全国の保育園・認定こども園のうち送迎バスを運行している施設の割合を調査したところ、全1,877施設のうち352施設と、18.8%にとどまる結果となりました。
送迎バスのある保育園は、全施設の約2割とまだまだ少数であることがわかります。
▼参考
社会福祉法人 日本保育協会「保育園・認定こども園での通園バスの運行状況実態調査の結果」
https://www.nippo.or.jp/Portals/0/images/index/Courtesy%20bus%20survey%20No.2.pdf
保育園の送迎バスにおける問題点
送迎バスの普及が進まない理由として、バス運行におけるさまざまな問題点が挙げられます。
大きな課題となっているのは、下記の2つです。
保育士の慢性的な人手不足
まず1つ目は、幼稚園・保育園の人手不足です。保育施設では慢性的な人員不足が続いており、待機児童問題の原因にもなっています。
2020年に実施された厚生労働省の調査によると、保育士の離職率は9.3%、私営保育所では10.7%と、他分野の職種と比べ高めの数値となっています。
離職理由として最も多いのは「職場の人間関係」(33.5%)。その他、「給与が安い」(29.2%)、「仕事量が多い」(27.7%)、「労働時間が長い」(24.9%)などの理由も挙げられています。
保育士は幅広く膨大な量の業務をこなす必要があり、その中にはバスでの送迎業務も含まれます。
人手不足のため、園の職員や園長がバスを運転することも多く、2021年7月には福岡で確認不足により、送迎バスに園児が取り残されるという痛ましい事故が発生しました。
保育士不足が続く中、送迎バスを利用することに不安を抱える保護者も多いのが現状です。
こうした問題解決のためには、保育士の労働環境の改善や送迎代行サービスの外部委託など、根本的な対策が必要となるでしょう。
▼参考
厚生労働省「保育士の現状と主な取組」
https://www.mhlw.go.jp/content/11907000/000661531.pdf
シートベルトの着用義務が無い
2つ目の問題は、保育園の送迎バスでチャイルドシート・シートベルトの装備が義務付けられていないことです。
幼児が自分での着脱が難しく緊急時の脱出が困難なことや、体格の違いがあり一定の座席ベルトの設定が難しいこと、同乗者の着脱補助作業が発生すること、などがその理由とされています。
道路交通法では、6歳未満の子どもはチャイルドシートを着用することが義務付けられている一方、保育園の送迎バスではシートベルトを設置しなくてもよい、という状況に対して安全面で不安を抱える保護者も多いでしょう。
実際、シートベルトで体を固定していないことが原因で、背もたれや子ども同士で頭をぶつけてケガをするケースも多く報告されています。
それを受け、平成25年には国土交通省が「幼児専用車の車両安全性向上のためのガイドライン」を発表しました。
ガイドラインには、事故の際の衝撃を和らげるために緩衝材を取り付ける、背もたれを高くして衝撃を緩和する、座席間隔を広く設けることで衝突を防ぐなどの措置が明記されています。
現在は、国交省と幼稚園関連団体、自動車関連団体の三者で送迎バスへのシートベルト導入に向けた話し合いが進んでいるとも言われ、導入に前向きな意見が出ている一方、緊急時の着脱を不安視する声やコスト面での負担を懸念する声もあり、本格的な導入にはまだまだ時間がかかりそうです。
▼参考 国土交通省「幼児専用車の車両安全性向上のためのガイドライン」
https://www.mlit.go.jp/common/000992511.pdf
保育園送迎バスの事故を防ぐ、位置情報通知システム「モークル」
シートベルトの着用義務がない保育園の送迎バスの運行には、事故発生時に深刻な被害が出る可能性もあるため、より確実な安全運転への対策が必要になります。
事故を防止するために効果的なシステムの一つが、バスの位置情報通知システム「MOQUL(モークル)」です。
特別なアプリをインストールする必要はなく、LINEでいつでもバスがどこにいるかを確認できるのが大きな特徴。
さらに、パイオニア製ドライブレコーダーを搭載しているので、「危険運転の警告」や「ドライバーの運転診断」もでき、事故防止対策として非常に有効です。
「危険運転の警告」機能は、急ブレーキや急ハンドルなどがあった際、ドラレコが音声と画面の表示でドライバーに警告。ドライバーは緊張感を持って運転することができます。
また、「ドライバーの運転診断」は、送迎バス運転中の急ブレーキ、急ハンドル、速度超過などの危険運転の回数を記録。事故につながる危険運転を点数化して分析できるので、ドライバーへの安全運転指導に役立ちます。
万が一事故が発生した際には、最新のテレマティクスを使って、鮮明な20秒間の映像を自動送信。現場の情報を確実に把握できるので、迅速な対応が可能です。
利用者の満足度を高めながら、保育園の送迎バスの事故を防ぎ安全運行を可能にする、位置情報通知システム「MOQUL(モークル)」の導入を検討してみてはいかがでしょうか?
「MOQUL(モークル)」について詳しくはこちら
https://moqul.net/
まとめ
- 保育園、認定こども園のうち送迎バスを運行している施設は、約2割にとどまっている
- 普及が進まない理由として、保育士の人手不足やシートベルト着用が義務付けられていないことが挙げられる
- 保育園送迎バスの運転にはより確実な安全対策が必要となるため、位置情報通知システム「モークル」の活用が有効