公共交通機関のメリット・デメリット!現状と課題、取り組みも解説
お役立ち情報
2022/09/02
少子高齢化と自家用車の急速な普及が進む中、路線バスや鉄道などの従来の公共交通機関を取り巻く状況は非常に深刻です。生活に欠かせない移動手段を安定して確保するために、新たな交通システムの構築が重要な課題となっています。
この記事では、公共交通機関のメリットとデメリット、公共交通における現状と問題点を解説。課題解決のための取り組みも紹介します。
公共交通機関のメリット・デメリット
鉄道や路面電車、バス、タクシーなど、不特定多数の利用者が運賃を支払い自由に利用できる交通機関を「公共交通機関」といいます。
生活に欠かせない移動手段となっている公共交通機関。そのメリットとデメリットを詳しく解説していきます。
公共交通機関のメリット
目的地へ移動するためにはさまざまな手段がありますが、その中から公共交通機関を選んで利用することには多くのメリットがあります。
環境に優しい
自家用車を使って移動する場合に比べ、一度に多くの乗客を運ぶことができる公共交通機関は、一人当たりの二酸化炭素排出量を削減することが可能です。
自動車での移動時に比べ、バスであれば約1/2、電車であれば約1/6の排出量となり、地球温暖化防止に貢献できます。
交通渋滞の解消
公共交通機関を利用することで自家用車の利用者が減少すると道路の交通量が減り、朝や夕方の通勤時間帯などで発生しやすい交通渋滞緩和につながります。
交通事故リスクを回避できるメリットもあります。
健康の増進
自家用車での移動は、徒歩での移動距離が短く、運動不足になりがちです。
公共交通機関を利用するとバス停や駅からの移動で歩く機会が増えるため、日常的に運動量が多くなり、健康増進効果が期待できます。
車の維持費がかからない
自家用車を所有する場合、ガソリン代や保険代、税金などを合わせて1ヶ月あたり約35,000円の維持費が発生します。高速道路代、修理代などを考えると、実際にはもっとかかる場合もあるでしょう。
公共交通機関を利用する場合は、これらの出費を抑えられるというメリットがあります。
公共交通機関のデメリット
メリットが多い公共交通機関ですが、デメリットも少なからずあります。
通勤時間帯のラッシュ時には、どうしても電車やバスが混み合うため、満員電車で他の利用者と密着することにストレスを感じる方も多いでしょう。
雨や雪の日にはバス停や駅までの移動が面倒ですし、悪天候時にはトラブルで遅延が発生し予定時刻に電車やバスが到着しないこともあります。
公共交通機関の不便な点も理解した上で、天候や体調に合わせて、自家用車と公共交通機関を使い分けるのも1つの方法です。
公共交通機関の現状と課題
生活に欠かせないものの1つである公共交通機関ですが、少子高齢化が急速に進む現在、公共交通を取り巻く状況はますます厳しくなると予想されています。
自動車が広く社会に普及し、生活必需品化している「モータリゼーション」の進展により、地域公共交通の位置付けが低下。利用者の減少を食い止めることができない状態が続いています。
そのため、交通事業者が不採算路線から撤退し、バスについては平成19年度以降、約10,206㎞の路線が完全に廃止。鉄道については平成12年度以降、約754㎞の路線が廃止されています。
民間バスの約7割、地域鉄道事業者の約8割の経常収支が赤字という報告もあり、地域交通を担う民間事業者の経営悪化も深刻な問題です。
地域公共交通ネットワークや運行回数が減少し、サービス水準の大幅な低下が進行するとともに、公共交通の空白地域も増えています。
特に高齢化が進むエリアでは「公共交通が減り、自動車が運転できないと生活できない」という不安の声が多く寄せられているため、病院への通院や、日常の買い物などのニーズをしっかりと満たすことができる移動手段を確保するために、現状に合わせた対策の検討が必要です。
公共交通機関の課題解決に向けた取り組み
公共交通機関は、地域住民の移動手段としてだけでなく、まちづくり、観光、健康、福祉、教育、環境など、さまざまな分野で大きな効果をもたらします。
課題解決のためには、地域の総合行政を行う市町村が中心となって取り組む必要があります。
平成25年には、本格的な人口減少社会における地域社会の活力の維持・向上を目的として、国を上げて交通に関する施策を推進する法律も定められました。
地域住民のニーズを踏まえ、公共交通ネットワークを再構築し、利便性を向上させ、運行の効率化を図るために、各地で新しい移動環境が模索されています。
具体的な取り組みとして、以下のようなものが実施されています。
コミュニティバスやデマンド交通の導入
交通空白地帯の解消のため、地方自治体が運営費用を負担して運行するバス「コミュニティバス」や、ニーズに合わせて指定場所を運行する「デマンド交通」を導入する自治体が増加しています。
導入にあたっては、地域と連携して公共交通の充実を図るために、どの事業者に運営を委託するか、運行ルートの決め方、運賃の設定や既存の交通サービスとの整合性が図られているかなど、さまざまな課題をクリアにしておく必要があります。
自家用有償旅客運送の導入
「自家用有償旅客運送」とは、登録を受けた市町村、NPOなどが自家用車を使用し有償で運送するサービスです。
交通空白地域の解消や、障害などがあり自力での移動が難しい住民の移動手段確保を目的として導入が増えています。
自家用有償旅客運送の導入にあたっても、運営主体は自治体かNPOか、運行ルートの決め方、車両の大きさ、運賃はどのように設定するのかなどを、十分に協議しなければなりません。
地域公共交通網形成計画の策定
まちづくりと連携し、地域全体を見渡した公共交通ネットワークの構築を目指す計画の策定も各地で進められています。
交通事業者をはじめとする地域の関係者と協議しながら、バス路線の再編など、公共交通の改善や移動手段の確保に取り組める仕組みを拡充。
公共交通の利便性・効率性の向上を図り、持続可能な移動環境の形成を目指すことが全国的に求められています。
▼参考
国土交通省「地域公共交通の現状と課題」
https://wwwtb.mlit.go.jp/hokushin/hrt54/com_policy/pdf/H28startup-koutuukikaku.pdf国土交通省「公共交通政策の現状と課題」
https://www.soumu.go.jp/main_content/000578731.pdf
位置情報システム「モークル」でバスの利用者満足度をアップ
公共交通機関をめぐる多くの課題を解決するために、コミュニティバスやオンデマンド交通を導入したとしても、その効果を上げるためには利用者の満足度を向上させていくことが重要です。
バスの位置情報システム「モークル」は、リアルタイムでバスの現在位置を利用者へ通知できるシステムです。
専用のアプリなどをインストールする必要はなく、普段利用しているLINEを使用し、シンプルな操作で利用できるのが最大の特徴。
「今どこ?」ボタンをタップするだけで、送迎バスの位置情報を取得でき、15秒毎の更新で、送迎バスの現在位置を正確に知ることが可能です。
情報は一方的に通知されるのではなく、利用者が問い合わせた時だけ通知される点も、「モークル」のうれしいポイントです。
「バスがいつ来るのかわからない」という不安を解消でき、待ち時間も有効活用できる「モークル」。利用者の満足度アップと持続可能な地域公共交通ネットワークの形成につながります。
公共交通機関の改善をお考えの自治体の皆様、ぜひバスの位置情報LINE通知システム「モークル」の導入を検討してみてはいかがでしょうか?
まとめ
- 公共交通機関の利用には、温暖化防止・交通渋滞の解消・健康の増進などさまざまなメリットが
- 少子高齢化とモータリゼーションが進む中、公共交通機関を取り巻く状況は非常に深刻
- 課題解決のため、コミュニティバスやオンデマンド交通、自家用有償旅客運送の導入などの取り組みが行われている
- 地域利用者の満足度をアップさせるために位置情報システム「モークル」が効果的