コラム

トップ > コラム > 保育士同士の連携には情報共有が大事!複数担任のメリットとデメリットとは?

保育士同士の連携には情報共有が大事!複数担任のメリットとデメリットとは?

幼稚園、保育園運営

2021/12/03

保育園はクラスによって担任の人数が異なります。
複数担任がいるクラスでは連携してクラスを運営していくために保育者同士の情報共有が欠かせません。
本記事では複数担任制のメリット・デメリット、保育士同士の情報共有がなぜ重要なのか解説します。

保育士の複数担任制とは?

複数担任制は2人以上の保育士がチームとなってクラスを運営する制度です。
担任が1人になるか、複数になるかはクラスの年齢と人数に応じて決まります。
保育士の配置基準は、厚生労働省令の「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」にて次のように定められています。

  • 0歳児:おおむね3人につき1人以上
  • 1・2歳児:おおむね6人につき1人以上
  • 3歳児:おおむね20人につき1人以上
  • 4歳以上児:おおむね30人につき1人以上

この基準を満たすよう保育士を配置しなければならないため、0・1・2歳児クラスは複数担任制を採用することになる保育園がほとんどです。
4歳児以上の年中・年長クラスでは担任を1人配置すれば基準を満たしますが、副担任やフリー保育士を配置してクラスを運営している保育園も多くあります。

複数担任制のメリットとデメリット

1人担任制と複数担任制はどちらの方がクラス運営に優れているということはありません。
どちらにもメリットとデメリットがあるからです。
ここでは複数担任制のメリットとデメリットを1人担任制と比較して紹介します。

複数担任制のメリット

保育の幅が広がる

複数の担任により子どもの発達を多角的に捉えることができ、指導計画や日々の活動内容に活かせます。
指導計画に沿って活動を考える上での課題の一つは、いかにして子どもの経験を豊かにできるかです。
担任1人で考えていると活動がマンネリ化してしまうことがありますが、複数の担任が意見を出し合えれば活動の幅も広がります。
また、ピアノや手遊び、制作など得意とするスキルを持ち寄れば他の保育士が苦手とする活動を補完できます。
このように1人担任制では実現できない保育を複数担任制では実現することができるのです。

子どもの安全が確保される

子どもの怪我防止のためには保育士の見守りが必要ですが、担任1人で見守ることのできる子どもの数には限界があります。
担任が複数いれば担当する子どもやゾーンを分担して子どもの動きを見守ることができます。
園庭や公園といった広いスペースでの戸外遊びだけでなく、室内のコーナー保育でも同様です。
コーナー毎で見守る保育士を決めておけば、特定の場所から死角になってしまう場所での怪我を防げます。

保育士の業務負担を減らすことができる

1人担任制では責任をもつクラスに関する業務を他の保育士と分担することは難しいですが、複数担任制なら誰かが忙しい時には事務作業や行事等の負担を分け合うことができます。
勤務時間中に事務作業を進められると、残業や持ち帰っていた業務の軽減にもつながります。

複数担任制のデメリット

価値観や保育観が保育者によって異なる

保育園ではさまざまな年齢層や価値観・保育観の保育者がチームとなってクラス運営にあたります。
このため担任同士で意見の対立が起こることがあります。
対話を通して歩み寄りができればよいですが、お互いが納得できないままだとぎくしゃくしたまま保育を実践しなければなりません。
その時のチームのメンバーに応じて価値観や保育観を共有して一貫した保育をしていくことが複数担任制の課題です。

人間関係でストレスを溜めてしまう

複数担任制は1人担任制よりもストレスを溜めやすいと言われています。
他の担任に気を遣って行動しなければならないからです。
例えば、休憩時間や有休は他の担任と重ならないように調整が必要です。
日頃の活動や行事などでも役割分担は相手と調整しなければならず、個人の業務よりもチームとして業務が優先されます。
このような日々の積み重ねがストレスとなって蓄積していきます。

担任同士の情報共有や連携が難しい

複数担任制によくあるトラブルとして、情報が他の担任に伝わっていない伝達ミスがあります。
後で伝えようと思って伝え忘れてしまったり、伝えたつもりでも相手には正確に伝わっていなかったりすることが原因です。
また、良かれと思っての行動でも事前に相談せず行動してしまったことで迷惑をかけてかえって仕事を増やしてしまうこともあります。

保育士同士の情報共有がもたらす2つの効果

円滑なクラスおよび保育園全体の運営のためには保育士同士の情報共有が欠かせません。
情報共有によってもたらされる主な効果を2つ紹介します。

保育の質を高めることができる

厚生労働省の「保育所等における保育の質の確保・向上に関する討論会」にて、保育実践の確保・向上に向けた取り組みのあり方の一つとして、多様な視点を得るために次の取り組みが示されています。

  • 現場間で保育士等が互いに保育を見合い対話する機会の充実・促進
  • 保育に関する様々な立場からの多面的・多角的な検討の実施・普及

出典:厚生労働省「保育所等における保育の質の確保・向上に関する検討会 議論のとりまとめ【概要】」
https://www.mhlw.go.jp/content/000647605.pdf

保育士同士が情報共有することで保育の実践状況を確認できます。
それを日々振り返っていくことでノウハウが蓄積され、保育の質が高まっていきます。

保護者から信頼される

保護者との信頼関係を築くうえで最も重要なのは、子どもの状況について質問された時に正確に答えることです。
「当事者ではないから」「担任ではないから」という理由であいまいな対応をしてしまっては保護者の不信感を招きかねません。
特に降園が遅い時間帯になると、担任ではなく遅番の保育士が受け渡しを担当することがあります。
受け渡し担当の保育士が状況を把握しておらず説明できなかったという事態を防ぐためにも保育士同士で情報を共有しておく必要があります。

保育士同士の連携を支援するために活用できるICTシステム

厚生労働省は保育所等におけるICT化推進事業を進めています。
保育士の業務負担を軽減することを目的としたもので、保育に関する計画・記録や保護者との連絡、子どもの登降園管理等の必要なシステムの導入費用の一部を補助する事業です。

出典:厚生労働省「保育士の現状と主な取組」
https://www.mhlw.go.jp/content/11907000/000661531.pdf

ICTの導入による事務作業の効率化によってできた時間を保育士同士の対話や情報共有に充てることができます。

ICTが支援する情報共有の例

保育士同士で情報共有するためには直接対話が効果的ですが、シフト制や業務負担といった制約から対話の時間を確保することは難しいのが現状です。
そこで、知りたい情報をあらかじめICTシステム上で把握して追加で聞き取る必要がある内容を精査しておくと効率よく情報収集できます。
ICTシステムによって共有が可能になる情報の例を紹介します。

園児の登降園状況

パソコン上で全クラスの登降園状況を確認できます。
担当しているクラスの子どもが登園予定時刻に登園していない時にきょうだい児が登園しているかどうか、きょうだい児のクラス担任に問い合わせなくても把握することが可能です。

ヒヤリハットの共有

ヒヤリハットの状況をシステムに登録して管理すると、ヒヤリハットが起こりやすい園児、保育園の場所、活動等をデータで把握することができます。

子どもの発達経過

入園してからどのような発達の経過を辿っているかを知ることは、これからどこに重点を置いて発達を促していったらよいか検討するのに役立ちます。

「うぇぶさくら」なら業務の負担を減らして保育実践の時間を確保できる

関西圏での導入実績No.1を誇る「うぇぶさくら」は、子どもに向き合う時間を確保したいという保育園や幼稚園の先生たちの希望から生まれたICTシステムです。

▼総合保育管理システムうぇぶさくら
https://web-sakura.jp/

うぇぶさくらは先ほど例を挙げた保育士の情報共有に役立つ機能に加え、職員の勤怠管理や請求管理、保護者との情報共有に使えるメッセージや連絡帳といった複数の機能を備えています。
これらはシステムで一元管理されているので、紙媒体での書類管理のように業務ごとにファイルを探し出すという手間もありません。
パソコンを使うことさえできれば簡単に知りたい情報を得たり、書類を作成したりすることができます。

うぇぶさくらの機能はこちらで確認できます。

▼うぇぶさくら機能一覧
https://web-sakura.jp/functions_list/

弊社でもうぇぶさくらを取り扱っておりますので、お問い合わせはお気軽にどうぞ!
https://moqul.net/contact

まとめ

複数担任制は責任や業務を分担しながら保育の幅を広げられるメリットがある反面、価値観や保育観が異なる保育士との情報共有や連携が難しくストレスを溜めやすいというデメリットがあります。
保育士同士の情報共有は、保育の質の向上や保護者との信頼関係の構築にもつながります。
効率的な情報共有には複数の機能を一元管理できるICTシステムの導入が効果的です。
保育士の情報共有や連携の改善が必要だと考えている保育園はぜひ総合保育管理システムの導入を検討してみてください。

コラム一覧に戻る

おすすめ記事

カテゴリ

今すぐモークルの画面をお試し! 今すぐモークルの画面をお試し!