保育士の離職率はどのくらい?離職の原因や働きやすい環境を解説!
幼稚園、保育園運営
2022/11/11
保育士不足や潜在保育士の多さが常々問題になっていますが、そこには保育士の離職率の高さも関係していると言われています。
激務で給与も低いというイメージの強い保育士ですが、この記事では、保育士の離職率は実際にどのくらいなのか、離職の原因や長く働き続けられる環境についても解説します。
保育士の離職率
平成28年から平成29年の厚生労働省の調査によると、保育士全体の離職率は9.3%。その内訳は、公立保育園が5.9%、私立保育園が10.7%となっており、公立保育園に比べ私立保育園に勤務する保育士の方が離職率が高いことがわかります。
また、経験年数ごとの離職率のデータは以下の通りです。
特に、経験年数4年未満の若手保育士の離職率が高く、保育士は早期離職の傾向が高いことが分析できます。
保育士は離職率が高いイメージがありますが、令和元年の一般労働者の離職率は11.4%となっており、保育士全体の離職率を下回る結果に。
他業種では宿泊業・飲食サービス業で26.9%、生活関連サービス業・娯楽業23.9%と、かなり離職率が高い産業もあり、全体と比較してみると高すぎるというわけではありません。
ただ、2~4年未満の私立保育園勤務の保育士離職率が14.9%となっているなど、安定して長く働ける職場とは言い切れない状況です。
全国の自治体でも、若手保育士の離職を防止するための取り組みが進められており、就業継続の研修や待遇改善などの実施が検討されています。
▼参考
厚生労働省「保育士の現状と主な取組」
https://www.mhlw.go.jp/content/11907000/000592531.pdf
厚生労働省「産業別の入職と離職」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/19-2/dl/kekka_gaiyo-02.pdf
厚生労働省「入職と離職の推移」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/20-2/dl/kekka_gaiyo-01.pdf
保育士の離職の原因
先ほどのデータでも解説したように、保育士の中でも特に、経験年数4年未満の若手保育士の離職率が高くなっています。
早期離職を選ぶのにはどのような原因があるのでしょうか?主な理由をまとめました。
保育士の離職原因2:給料が安い
保育業界は他の業種と比較すると、給与が低い傾向にあり、労働量に対して賃金が低いと感じている人が多いようです。
内閣府の調査によると、平成29年度の保育士の平均月給は22万9,900円、年間給与は約342万円です。全職種の平均月給が33万3800円、年間給与が約491万円であることと比べると、
やはり給料が安いと感じても無理はありません。
近年、国の施策として保育士の賃金を上げる取り組みが行われており、給与水準は少しずつ上昇していますが、それでも子どもの命を預かる責任のある仕事のため、業務に見合った待遇ではないと感じている人が多いようです。
▼参考
内閣府「平成29年度保育士及び幼稚園教諭の平均賃金等の実態について」
https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/meeting/kodomo_kosodate/k_35/pdf/tsuika_s3-2.pdf
保育士の離職原因3:業務量が多い
保育士は子どもの保育だけではなく、多くの業務をこなす必要があります。
業務時間外に各種計画・記録などの事務作業をおこなうこともあり、季節の行事や製作物の準備も多く、自宅に持ち帰り作業するケースも多いのが現状です。
手書きで連絡帳を書いたり、発表会の衣装を保育士が手作りするなど、負担の多い慣例が残る園も多いため、業務効率をアップさせるための工夫が求められています。
保育士の離職原因4:労働時間が長い
保育士の勤務は、業務量が多いことに比例し残業も多く、労働時間が長くなる傾向にあります。
季節ごとに行われる行事などが近づけば、準備や対応に追われることになり、保育士が少ない園では休日をきちんと取ることができない場合もあります。
毎日残業に追われ、休みも少ないという状況が続けば、ゆっくりリフレッシュすることもできません。長くは続けられないと判断する方も多いでしょう。
保育士の離職原因5:結婚、出産
保育士として働く中で結婚や出産、育児などを経験し、ライフステージが変化する場合もあります。
長時間勤務が多い保育士の仕事では、家事や子育てとのバランスが上手くとれず、結果的に退職してしまうケースも少なくありません。
育児が落ち着いた時に再就職を希望する保育士も多いですが、職場復帰を支援する制度が少なく、あきらめてしまうことも多いようです。
保育士が「働きやすい」職場環境とは?
では、保育士が長く働き続けられる職場とは、どんな環境なのでしょうか?
働きやすい、また働きやすい職場を選ぶためのポイントをご紹介します。
労働環境
まずは労働環境が整っていることが大きなポイントです。
月収がきちんとした水準で計算され、福利厚生が充実し、労働時間も長くなりすぎないよう配慮されている保育施設は長く働きやすいといえます。
保育園は、一般的に朝7時〜夜8時頃までの保育時間に対応しています。この中でシフト管理を工夫し、一人当たりの労働時間を8時間程度に調整するのが通常です。
業務量が多く残業が発生したり、持ち帰り業務が当たり前のように行われているような園は避けるべきでしょう。長時間働いてもその分給料に反映されない、最低賃金を下回っていないかいうことも注意するべきところです。
働きやすさという点では、定期的に業務に関する見直しや改善がされており、休憩や有給についても取りやすいように配慮されている職場を選びましょう。
良好な人間関係
いくら待遇がよくても、人間関係が悪くては楽しく働くことができません。
先輩や同僚の保育士と良好な関係を保つことができれば、それが励みになり仕事へのやる気も増すでしょう。
保育士は多くの子どもや保護者と接する機会がある仕事です。子どもがなかなか思うように動いてくれない場合や、保護者から厳しい言葉を浴びせられることもあるかもしれません。
そんなつらい状況にある時こそ、同じ立場の保育士同士で支え合い、上司や園長もフォローしてくれるような環境であれば、仕事へのモチベーションも下がることなく、長く働き続けることができるでしょう。
職場選びの際には、働いている保育士の表情や園長の保育方針・人柄などもしっかりとチェックして自分に合った園を選びましょう。
「うぇぶさくら」で業務効率をアップし、離職率を下げよう
業務量や労働時間が多く、若手の離職率も高い保育業界ですが、その問題の解決に効果的なのが保育ICTシステムの活用です。
近年、保育園・幼稚園でもICTシステム導入を検討する園が増えている状況にあり、さまざまな業務が大幅に効率化され、保育士の働き方や環境を改善することが可能です。
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園児台帳、指導計画、登降園管理、保護者請求、事故・ヒヤリハット、職員出退勤管理、発達チェック、行事カレンダー、職員台帳管理、アレルギー管理、健康診断、職員シフト管理、連絡帳機能など、多くの便利な機能が搭載されています。
園児の情報管理から職員の勤怠管理に至るまで、園の複雑な管理業務をWeb上で一元管理することが可能です。
「うぇぶさくら」を活用することで、離職の原因として多く挙げられる、業務量が多い、労働時間が長いという保育士の勤務状況を改善できますし、事務作業に追われていた時間も子どもたちと向き合うことができ、質の高い保育の提供と保育士のやりがいアップにもつながります。
離職率の低下にも役立つ、保育ICTシステム「うぇぶさくら」の導入をこの機会に検討してみてはいかがでしょうか?
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まとめ
・保育士の離職率は経験年数4年未満の若手保育士で高く、早期離職の傾向が高い
・保育士の離職は、人間関係や給与面、業務量や労働時間の多さなどが主な原因
・働きやすく長く続けられるのは、労働環境や人間環境などが良好な保育施設
・保育ICTシステムの導入で業務効率をアップさせれば、離職率も下げられる