コラム

トップ > コラム > 社員送迎バスのよくある不満、現場の改善ポイント【社員送迎バス活用シリーズ第2回】

社員送迎バスのよくある不満、現場の改善ポイント【社員送迎バス活用シリーズ第2回】

2026/09/18 (更新日:2026/09/05)

【連載シリーズ 第2回/全8回】社員送迎バス活用シリーズ
第1回はこちら:社員送迎バスとは?導入メリットと運転手不足時代の確保のポイント

第1回では、これから導入を検討する企業に向けて、社員送迎バスのメリットをご紹介しました。ただ、実際にはすでに社員送迎バスを導入している企業の方が多いのではないでしょうか。今回は視点を変えて、すでに運行している送迎バスについて、現場からよく聞かれる不満と、その改善のためにできることを整理します。

「バスが遅れて始業に間に合わない」という不満

通学バスであれば、多少の遅れは授業の遅刻程度で済むこともありますが、社員送迎バスの遅延は、そのまま始業や勤務シフトに直結します。工場であればラインの稼働開始、店舗であれば開店準備など、決まった時刻に人員が揃っている前提で組まれている業務は少なくありません。

また、複数の便を運行している場合、1便の遅れが後続の便のスケジュールにも連鎖しやすいという特徴があります。朝の遅延が、その日一日の運行全体に影響してしまうこともあります。

こうした遅延に対して、従業員自身が「今、バスがどこにいるか」を把握できれば、遅刻しそうな場合に上長へ早めに連絡したり、状況によっては別の交通手段を検討したりといった判断がしやすくなります。会社側にとっても、遅延の発生状況をデータとして蓄積できれば、ルートや運行時刻の見直しの材料になります。

「バスに乗れなかった」という不満

もう一つ、現場でよく聞かれるのが「バスに乗れず、出社できなかった」という不満です。定員を超える利用希望や、乗り遅れによって、その日の出社そのものが難しくなるケースがあります。

マイカー通勤であれば、多少の遅れがあっても自分の判断で移動できますが、送迎バスに依存している従業員、特に自家用車を持たない従業員にとっては、乗れないことがそのまま「出社できない」という事態に直結しかねません。公共交通機関の便が少ない地方の拠点ほど、この問題は深刻になりやすい傾向があります。

この不満への対策としては、便ごとの乗車人数を継続的に把握し、慢性的に混雑している便があれば増便を検討する、といった対応が考えられます。また、バスの接近状況を事前に確認できれば、乗り遅れそのものを減らすことにもつながります。

その他、現場でよく聞かれる声

  • 車内の混雑:座れない、荷物を置く場所がないといった不満
  • 問い合わせ対応の負担:「バスはまだ来ませんか」という電話・連絡が、総務や運行管理の担当者に集中してしまう
  • クレームの矛先が曖昧:遅延や車内環境について、誰に伝えればよいのか従業員側に分かりにくい

これらは一つ一つは小さな不満に見えても、積み重なると「送迎バスが使いにくい」という印象につながり、結果としてマイカー通勤への回帰や、採用面でのアピール材料としての効果が薄れてしまう要因にもなります。

運行の手配そのものに関する課題

従業員からの不満だけでなく、運行を手配する側にも独特の悩みがあります。

社員送迎バスは、朝と夕方の通勤時間帯だけ運行するケースが大半です。バス会社にとっては、車両と運転手を1日の中の短い時間帯にしか使えないため、稼働効率の面で敬遠されがちで、依頼しても難色を示されたり、断られたりすることも少なくありません。日中の稼働先を別に確保できるツアーバスや貸切バスの需要と比べると、朝夕だけの送迎は受注の優先順位が下がりやすい面があります。

また、最寄り駅など公共交通機関の乗り換え地点を乗降場所にするケースも多いですが、バスが折り返し便までの間、待機できる場所を駅周辺で確保すること自体が難しい場合もあります。駅前のロータリーやバス停は他の事業者・路線バスとの兼ね合いもあり、思うように待機スペースを確保できないことがあります。

不満を「見える化」して改善につなげる

現場の不満は、感覚的な声として捉えられがちですが、遅延の発生頻度や、便ごとの乗車率といった形でデータ化できれば、ダイヤ改正や増便判断の具体的な根拠になります。

また、位置情報を従業員自身が確認できる仕組みがあれば、「バスはまだ来ませんか」という問い合わせ自体を減らすことができ、総務・運行管理側の負担軽減にもつながります。すでに送迎バスを導入している企業こそ、こうした「見える化」の仕組みを取り入れる価値があるといえます。

次回は、こうした運用上の課題とも関わる、運転手の確保方法(自社雇用かドライバー派遣か)について詳しく見ていきます。

人事・総務のご担当者様へ
「バスはまだ来ませんか」という問い合わせを減らし、遅延・乗車状況を見える化する位置情報LINE通知システム「モークル」。詳しくはこちらから。

よくある質問

Q. 社員送迎バスの遅延は、なぜ通学バスより影響が大きいのですか?

始業時刻や勤務シフトに直結するためです。工場のライン稼働や店舗の開店準備など、決まった時刻に人員が揃っている前提で組まれている業務が多く、遅延がそのまま業務への影響につながりやすい傾向があります。

Q. 「バスに乗れなかった」という不満には、どう対応すればよいですか?

便ごとの乗車人数を継続的に把握し、慢性的に混雑している便があれば増便を検討することが基本です。バスの接近状況を事前に確認できる仕組みがあれば、乗り遅れそのものを減らすことにもつながります。

Q. 「バスはまだ来ませんか」という問い合わせが多く、対応に困っています。どうすればよいですか?

従業員自身が位置情報を確認できる仕組みを導入することで、こうした問い合わせ自体を減らすことができます。総務・運行管理側の負担軽減にもつながります。

Q. バス会社に送迎の依頼をしても、断られることがあります。なぜですか?

朝夕の通勤時間帯だけの運行は、車両・運転手の稼働効率がバス会社にとって低くなりがちなためです。日中の稼働先を別に確保できるツアーバスなどの需要と比べると、受注の優先順位が下がりやすい傾向があります。

Q. 最寄り駅を乗降場所にする場合、何に注意が必要ですか?

折り返し便までバスが待機できる場所を、駅周辺で確保できるかどうかがポイントです。駅前のロータリーやバス停は他の事業者・路線バスとの兼ね合いもあるため、事前に自治体や駅管理者への確認が必要になる場合があります。

まとめ

  • 社員送迎バスの遅延は、始業時刻や勤務シフトに直結し、通学バスよりも業務への影響が大きい
  • 「バスに乗れなかった」という不満は、公共交通機関の便が少ない地方拠点ほど深刻になりやすい
  • 車内の混雑や問い合わせ対応の負担、クレームの矛先の曖昧さも、現場でよく聞かれる不満
  • 遅延・乗車率のデータ化や、位置情報の見える化が、こうした不満の改善につながる
  • 朝夕のみの運行はバス会社に敬遠されやすく、駅を乗降場所にする場合は待機場所の確保も課題になりやすい

この連載の記事一覧

  • 第1回:社員送迎バスとは?導入メリットと運転手不足時代の確保のポイント
  • 第2回:社員送迎バスのよくある不満、現場の改善ポイント(この記事)
  • 第3回:運転手不足時代の社員送迎バス、自社雇用かドライバー派遣か(近日公開)
  • 第4回:社員送迎バスに必要な免許・法令をおさらい(近日公開)
  • 第5回:通勤手当と送迎バス、コストはどちらが安い?比較のシミュレーション(近日公開)
  • 第6回:外国人材の採用と社員送迎バス(近日公開)
  • 第7回:24時間稼働する工場・物流拠点の送迎、シフト制企業の運用ポイント(近日公開)
  • 第8回:社員送迎バス、導入から運用開始までの流れ(近日公開)


コラム一覧に戻る

おすすめ記事

カテゴリ

今すぐモークルの画面をお試し! 今すぐモークルの画面をお試し!