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モークル誕生秘話|LINEの可能性への気づきから、LINE BOT AWARDS挑戦まで

モークルストーリー

2026/09/13 (更新日:2026/09/15)

「送迎バスの位置情報を、LINEで届ける」——今でこそ当たり前のように使っていただいているこの仕組みですが、モークルの原点をたどると、あるインタビュー動画との出会いにたどり着きます。今回は、モークルがどのようにして生まれたのか、開発初期の経緯を振り返ってみたいと思います。

きっかけは、あるインタビュー企画だった

著名なマーケターである神田昌典氏が、さまざまな業界の方にインタビューをするという企画がありました。その中の一回に、当時LINE株式会社の執行役員だった田端信太郎氏が登場する回があり、これが非常に印象に残る内容でした。

この回で田端氏は、「LINEはコミュニケーションのツールとしてだけでなく、それ以外の可能性も見据えている」という趣旨のことを語っていました。当時はまだLINE Payが登場する少し前で、企業がLINEを使った広告を始めたばかりの時期です。その中で、Botの機能を使えば、会話形式でさまざまな情報をやり取りできることを知りました。

この話を聞きながら、「これをバスの位置情報に応用できないか」と考えたことが、モークルの原点になっています。

もう一つの気づき:外部から車両の位置情報にアクセスできる仕組み

ほぼ同じ頃、もう一つの重要な気づきがありました。当時取引のあったパイオニア社が、「ビークルアシスト」というテレマティクスサービスを開始したのですが、その中にAPI接続ができる機能を見つけたのです。

API接続によって、外部から車両の位置情報にアクセスすることが可能になります。LINEのBot機能で情報をやり取りできるという気づきと、外部から車両位置にアクセスできるという気づき。この2つが組み合わさったことが、モークル開発のきっかけになりました。

机上の空論で終わらせないために、実証実験へ

アイデアが浮かんだら、次に考えたのは実証の場です。実際にバスで使ってみなければ話にならないと思い、地元・中津川市の市役所に相談に行きました。コミュニティバスの担当部署を教えてもらい、「どこかのバスで実験させてもらえないか」とお願いしたのです。

担当の方が、いろいろと新しいことを試すのが好きな方だったこともあり、幸いにも中津川市坂下地区で運行しているコミュニティバスでの実験を許可していただけました。

2月の寒い時期でしたが、すぐに車載器を取り付け、坂下町内をくまなく走るコミュニティバスで、実際に位置情報が取得できるかを確認しました。その後、実際にコミュニティバスを利用されている高校生や、小学生の保護者の方々にLINEで登録していただき、試していただくところまで進めることができました。

地元紙の記事が、思いがけない展開を呼ぶ

この取り組みは、岐阜新聞や中日新聞に取り上げていただきました。そして、この記事がネットニュースにもなったことで、思いがけない展開が起こります。

この記事が、LINE社の技術担当役員の方の目に留まり、「こういう取り組みも、LINE BOT AWARDSに参加してほしい」という趣旨の投稿がTwitter(現X)にされたのです。それを偶然見つけたのが、応募のきっかけでした。正直なところ、当時はかなり軽い気持ちでの応募でした。

世界数千の応募の中から、ファイナリストへ

応募から1週間ほど経った頃、「ファイナリストに選ばれたので、当日は会場(マイクロソフト社)にお越しください」というメールが届きました。

後から聞いた話では、世界中から数千の応募があったそうです。その中でファイナリストに選ばれたのはおよそ20組。最優秀者には賞金1000万円が用意されているという、想像していたよりもはるかに大きな規模のコンテストでした。

結果として、受賞には至りませんでした。ただ、当時ファイナリストとして発表されたサービスの中で、今もサービスとして稼働し続けているのは、私の知る限りモークルくらいのようです。

あれから、今のモークルへ

この実証実験・LINE BOT AWARDSへの挑戦をきっかけに、モークルは少しずつ形を整えていきました。その後、岐阜県美濃加茂市のコミュニティバス「あい愛バス」への採用を皮切りに、千葉県富津市、和歌山県紀の川市、岡山県吉備中央町、富山県富山市と、全国の自治体・学校でご利用いただくまでになりました。

「LINEでバスの位置が分かったら便利なのでは」という、ごく単純な思いつきから始まったモークルですが、実際にバスに乗ってくださる方々の声を聞きながら、一つひとつ形にしてきた歩みを、これからもこの「モークルストーリー」でお伝えしていきたいと思います。

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