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スマートフォンアプリを活用したバスロケーションシステムの利便性

お役立ち情報

2023/07/31

バスロケーションシステムによる利用者への運行案内は、バス会社のサービス向上とバス利用者の獲得に大きく貢献しています。
現在、さまざまなバスロケーションシステムが存在しますが、利用者にとって利便性が高いのがスマートフォンアプリを活用したシステムです。
本記事ではスマートフォンアプリで取得できるバス情報の種類や、導入事例を紹介します。
 

バスロケーションシステムとは?

バスロケーションシステムは、車載器を搭載したバスの車両識別番号や時刻、位置情報(緯度・経度)を携帯電話網や無線を使って情報センターに集約し、バスの現在位置を把握するシステムです。
集約されたデータは、事業者のバス運行管理や利用者に対する運行案内に活用されます。
例えば、利用者向けの運行案内にはバス停留所のサイネージ機器での接近情報表示や、バス会社ホームページ上やアプリでのバス位置情報検索画面などがあります。
バスロケーションシステムは1970 年代から導入が開始され、2000年頃から普及が進みました。
バスに搭載する車載器も技術の進歩によって変化が見られ、導入初期のビーコンや無線の受信機から、ここ数年はスマートフォンやタブレットを使用した車載器が多くなってきています。
特にコミュニティバスや運行委託バスといった小規模バスの事業者で、スマートフォンを用いたバスロケーションシステムの導入が進んでいます。
 

スマートフォンアプリによるリアルタイムのバス情報の提供

バスは渋滞等の道路状況や天候の影響を受けやすく、ダイヤ通りの運行は困難といえます。
そこで活用されるのがリアルタイムで提供されるバスの位置情報です。
スマートフォンがあればいつでもどこでも検索が可能で、以下のようなバス情報を把握できます。

バスの現在位置

バスの走行位置の把握は、簡易的なバスロケーションシステムでも追跡可能な基本機能です。
バスの位置は地図上に表示され、一目でわかるよう可視化されます。
利用者がバスの現在位置を把握できる主なメリットは、バスのおおよその到着時刻を予想して余裕をもった行動できること、バスが正常運行しているか確認できること、運行管理者が運行に集中できることです。
バスの現在位置がわかれば、あとどのくらいでバスが到着するか予測がつきます。
そこから逆算してバス停に向かうことができるので、バスに間に合わせようとする焦りが軽減します。
雨や雪などの悪天候の中でバスを長時間待つこともありません。
スクールバスや送迎バスなどを利用する子どもの保護者は、子どもが乗車するバスの現在位置から正常運行していることがわかれば安心感を得られます。
このように利用者自身が直接バスの位置を把握できると、バスの運行管理者への問い合わせが減ります。
問い合わせがあったとしても、管理画面で表示される地図上でバスが現在どこを走っているのかを一目で確認でき、迅速に対応が可能です。

運行状況や遅延情報

高機能のバスロケーションシステムはバスの路線や行き先、遅延といった情報を提供します。
システム上に登録されたダイヤと実際のバスの運行が結び付けられて計算されたものがバスの遅延情報です。
遅延情報の提供は、遅延によって利用者が感じる不安やストレスの軽減につながります。
利用者はどのくらいの遅延状況なのか把握することで降車後の代替案を検討できるからです。
運行管理面でも蓄積されたバスの遅延情報はダイヤの改正に活用されています。
 

スマートフォンアプリを活用したバスロケーションシステムの紹介

バスロケーションシステムは各社で開発されており、複数のシステムが存在します。
システムの導入を検討する際には把握できるバス情報の種類、運行管理への活用、利用者への情報配信方法などを考慮する必要があります。
ここでは利用者がスマートフォンアプリを使ってバス情報を得られるバスロケーションシステムを導入している事例を紹介します。

庄内交通

山形県の庄内交通では、2019年12月23日からバスロケーションシステムを一般路線バス全線に導入しました。
バス路線および運賃検索サービスである「MOKUIK」と、バスロケーションサービスである「PINA」・「楽PINA」というアプリが提供されており、スマートフォンにインストールして使用します。
MOKUIKとPINAは連動しており、MOKUIKで検索した路線情報とバスの現在位置はPINAの地図上にて確認可能です。
乗車したいバスの接近通知は、PINAの地図上に表示される乗車バス停または楽PINAの路線バス登録から設定できます。
乗車予定のバスが2つ前のバス停に到着した時に、バイブレーションと音で作動して知らせます。

両備バス

岡山県の両備バスでは、2017年春よりバスロケーションシステム「Bus-Vision@バスロケ」サービスを開始しました。
スマートフォンでバスの位置や停留所への到着時刻をリアルタイムに検索でき、専用サイトとアプリが用意されています。
スマートフォンの他にもバスターミナル等に設置したサイネージ機器にも表示が可能です。
バス会社が既に利用していた車載器や乗合バス運営システムと連携が可能であることから、運行管理においても管理者や乗務員の負担が軽減されています。

伊予鉄道

愛媛県の伊予鉄道では、2016年9月21日よりバスの到着予測時間をスマートフォンで確認できる「スマホ バスロケ」のサービス提供を始めました。
バスロケは、バス停に貼られているNFC(Near Field Communication)という通信規格を採用したNFCタグステッカーをNFC対応スマートフォンでタッチするとバスの到着時間をリアルタイムに確認できるシステムです。
NFC非対応端末ではQRコード読み取りアプリを起動して、NFCタグステッカーについているQRコードをスキャンします。
伊予鉄道はシステムをリニューアルしており、現在はバスの運行状況をリアルタイムで把握してバスの接近情報を提供する「バスナビゲーションシステム for SaaS」を導入しています。
 

バスの位置情報をリアルタイムで確認できる「モークル」

「MOQUL(モークル)」は、バス位置情報をLINEで通知するシステムです。
モークルの特徴として、LINEですぐに利用できること、利用者への位置通知機能だけでなく運行管理システムも利用できることが挙げられます。

LINEですぐに利用できる

モークルは、利用者が新たに専用アプリをインストールしたり、バス会社のホームページにアクセスしたりする必要がありません。
日本国内では9500万人(2023年3月末時点)が利用しているコミュニケーションアプリであるLINEを使ってバスの位置情報を取得できるからです。
使用方法は、LINEで「友達追加」してトーク画面の「今どこ?」ボタンをタップするだけです。
バスの位置情報は15秒ごとに更新されており、地図上でバスの位置を確認できます。

位置通知機能だけでなく運行管理システムも利用できる

他社が提供するシステムでは、運行情報がクローズドシステムとなっていて利用者への通知機能がなかったり、運行情報のみを通知して運行管理システムがないものがあります。
一方、モークルは運行管理と通知機能を両方備えたシステムです。
運行管理システムにはパイオニア株式会社の「ビークルアシスト」を標準装備し、無料で利用できます。
運転日報の作成の他に、ドライバーの運転診断や危険運転の警告など事故防止に役立つ機能もあります。
モークルはドライブレコーダー本体の取付工事の完了後すぐに利用開始が可能です。

「MOQUL(モークル)」について詳しくはこちら
https://moqul.net/
 

まとめ

スマートフォンアプリを利用したバスロケーションシステムでは、利用者はいつでもどこでもバスの位置情報の検索が可能です。
利用者がリアルタイムでバスの現在位置や遅延を把握できると、バスを待つ不安・ストレスの解消や、運行管理者への問い合わせの減少につながります。
複数のバスロケーションシステムの中には、バス位置情報を確認するための専用アプリが用意されているものもあります。
一方、モークルは専用アプリが不要で、LINEで手軽に利用できるバスの位置情報通知システムです。
位置通知システムだけでなく運行情報システムも利用できます。

(執筆者:山口 史)

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