保育士のスキルアップに!専門性と保育の質を高める資格を紹介
幼稚園、保育園運営
2022/07/22
子どもに寄り添った保育をするためにもっと専門性を高めたいと考える保育士は少なくありません。
ではどのようなスキルを身に付けていけばよいのでしょうか。
本記事では保育士のスキルアップとしておすすめの資格を紹介します。
保育士にスキルアップが必要な理由とは?
保育士のスキルアップは『保育所保育指針 第5章「職員の資質向上」』に記載されています。
「専門性を高めるため、必要な知識及び技術の修得、維持及び向上に努めなければならない」とされ、保育士は日々スキルを磨いていくことが求められています。
スキルアップが重要視されるようになってきた理由を2つ紹介します。
保育ニーズの多様化
共働きの世帯の増加に伴い、保育園の利用者が増えています。
子どもを預かる時間も長くなり、より質の高い保育が求められるようになりました。
また、保育園に通う子どもやその親も外国籍であったり特別な配慮を必要としたりするなど様々な背景をもっています。
それぞれの家庭状況に合わせた多様化するニーズに応えるため、保育士は専門性を広げていく必要があります。
キャリアパスの明確化
キャリアアップ研修制度が創設されたことでこれまで漠然としていた保育士のキャリアパスが具体的になりました。
キャリアップ研修の専門分野別研修には次の6分野があります。
- 乳児保育
- 幼児教育
- 障害児保育
- 食育・アレルギー対応
- 保健衛生・安全対策
- 保護者支援・子育て支援
新設された職務分野別リーダーは、上記6つの分野の中から担当する職務の研修一つを修了して発令されることでなります。
このような特定の分野でスキルを磨いていこうと考える保育士が増えてきています。
保育士がスキルアップするメリット
保育士がスキルアップすると次のようなメリットがあります。
保育の質の向上
専門性がより深まることにより、子どもの気持ちに寄り添い、子どもの可能性を引き出すスキルが確実に上がります。
保育の質が上がることで子どもや保護者との信頼関係もより強固なものになるでしょう。
効率性の向上
専門知識が増えたことで調べ物をする時間が減ったり、効率よく作業を進めることができます。
また、パソコン操作やアプリの使い方を覚えることでも作業効率が上がります。
給料アップ
資格手当や、キャリアアップ研修を受けて役職に任命されると処遇改善手当が得られることがあります。
転職する場合も資格を持っていることをアピールすれば給料を上げられる可能性があります。
保育士に求められるスキルとは?
保育士が必要とするスキルのうち、特に意識して磨きたいものを3つ紹介します。
保育の専門知識・実技に関するスキル
子どもの発達段階を理解し、発達に合わせた保育環境を作るためにも正しい保育の知識は不可欠です。
実技面では子どもたちの興味を引きつけるようなスキルを身に付けるとよいでしょう。
例えば、手遊びの種類を増やしたり、子どもの理解に合わせた読み聞かせ、ピアノ演奏などがあります。
コミュニケーション能力
職員同士が連携して良い関係を保つためには積極的にコミュニケーションを図る必要があります。
報連相を心掛け、自分の考えを正確に伝え、相手の考えを傾聴します。
職員のみならず保護者との連携も不可欠です。
日頃からできる限り密なコミュニケーションを取っておくことで保護者からの信頼を得られるでしょう。
パソコンスキル
今後必須となるスキルがパソコン操作です。
指導計画や日誌、おたより等をパソコンで作成するなど、保育士もパソコンを使う機会が増えています。
ICTシステムを導入している保育園も年々増加しており、今は導入されていなくても近い将来ICT化される可能性もあります。
保育士のスキルアップに役立つ資格7選
専門分野別研修の内容にも関連する、保育士のスキルアップにおすすめの資格を7つ紹介します。
保育カウンセラー
保育カウンセラーは、カウンセリング技法を用いて保育・子育て支援をしたい保育士におすすめの資格です。
保育カウンセラーを目指すには、全国私立保育園連盟が主催する保育カウンセラー養成講座ステップI、II、IIIすべてを受講します。
養成講座は経験年数4年目から受講可能です。
講座を修了したら講座認定レポート2課題を提出し、資格認定審査会において認定されると保育カウンセラー資格を取得できます。
資格取得後は自己研鑽が必要とされ、資格更新のために認定期間内に所定の研修会に参加する必要があります。
参考:公益社団法人全国私立保育園連盟
https://www.zenshihoren.or.jp/activity/counseling/index.htmlhttps://www.zenshihoren.or.jp/activity/counseling/license.html
リトミック指導者
リトミックとは、エミール・ジャック=ダルクローズによって創られた音楽教育法で、全身を使って音楽を動きで表現する活動のことです。
保育園で実施されてきたリズム遊びとの違いは身体の動かし方に違いがあります。
例えば、リズム遊びでは「かえる」の音楽では皆で同じタイミング・動作でかえる跳びをしますが、リトミックでは音楽が流れたら自由に身体を動かします。
リトミック指導者になるには、リトミック研究センターが主催する教員養成校または月例研修会で学びます。
資格取得までの期間と取得できるディプロマの種類が異なりますので、自身のペースに合わせて養成校か月例研修会か選択するとよいでしょう。
参考:特定非営利活動法人リトミック研究センター
https://www.eurhythmics.or.jp/learn/
絵本専門士
絵本専門士は、子どもに合わせた絵本選びや読み聞かせのスキルを向上させたい保育士におすすめです。
絵本専門士として認定されるためには、国立青少年教育振興機構が主催する養成講座を受講して全30コマの授業で一定の成績を修めます。
その後修了課題において絵本専門士として必要な資質・能力を満たしていると評価されることが必要です。
参考:独立行政法人国立青少年教育振興機構
https://www.niye.go.jp/services/plan/ehon/senmon.htmlhttps://www.niye.go.jp/services/plan/ehon/yousei.html
おもちゃコンサルタント
子どもの発達段階に合わせた玩具を選ぶなど環境構成の専門性を高めたい保育士におすすめです。
カリキュラムには入院児や障害児など医療福祉の現場で求められる玩具を紹介する内容も含まれています。
おもちゃコンサルタントになるには、東京おもちゃ美術館で開催される通学コースか、自宅学習とスクーリングで学ぶEラーニングコースどちらかを受講します。
内容は同じなので、学習が継続しやすいコースを選ぶとよいでしょう。
すべての課程を修了すると「おもちゃコンサルタント認定証」が授与されます。
参考:NPO法人芸術と遊び創造協会
http://artplaylab.jp/toy/consultant.html
幼児食インストラクター
近年、食育に力を入れている保育園が増えています。
幼児食インストラクターは栄養士と連携しながらクラスでも丁寧な食育を実施したり、アレルギー対応の知識を得たい保育士におすすめの資格です。
受験資格は、日本能力開発推進協会指定の教育機関等が行う教育訓練において全カリキュラムを修了した者です。
在宅にて受験でき、得点率70%以上で合格です。
参考:一般財団法人日本能力開発推進協会
https://www.jadp-society.or.jp/course/infant-food/
幼保英語士(幼保英語検定)
外国籍の子どもや保護者とコミュニケーションを取りたい保育士におすすめです。
保育現場で実践できる英語を習得するとともに、保育に関する英語対応が可能という証明になるでしょう。
検定は「入門レベル」の4級から責任者として活躍できる「専門レベル」の1級まで分かれています。
検定合格ラインは基本を65%として試験問題の難易度により変動します。
参考:一般社団法人幼児教育・保育英語検定協会
https://www.youhoeigo.com/
MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)
MOSは、Word、Excel、PowerPointといったマイクロソフトオフィス製品を利用できるスキルがあることを証明する資格です。
試験対策することでパソコンを実際に使う実務力を鍛えることができます。
試験は全国一斉試験と、随時試験から選択可能です。
参照:オデッセイコミュニケーションズ
https://mos.odyssey-com.co.jp/index.html
保育ICTシステム「うぇぶさくら」の導入で保育の質を向上
保育士のスキルアップとしてパソコンスキルを紹介してきたように、パソコンによって事務作業が効率化できると子どもと接する時間が増えて保育の質の向上にもつながっていきます。
保育士のスキルアップとともに園内で整備を進めたいのがICTシステムです。
おすすめは保育士たちの希望から生まれた総合保育管理システムの「うぇぶさくら」です。
うぇぶさくらでは園児台帳や登降園管理、計画類の作成、連絡帳など、複雑な管理業務がweb上で一元化されています。
効率化によって事務残業がなくなれば、今まで残業していた時間をスキルアップのための学習に充てることもできます。
ぜひICTシステムの活用を検討してみてください。
▼総合保育管理システム うぇぶさくら
https://web-sakura.jp/
https://moqul.net/contact
まとめ
保育士がスキルアップすることによって保育の質が高まります。
民間の資格取得講座は多数開催されているので、受講することで特定分野の専門性を深めることが可能です。
パソコンスキルを高めるのと同時にICTシステムを活用すると業務効率化が進みます。
効率化によって確保できた時間はスキルアップのためにも使うことができるでしょう。