送迎バスの置き去り防止安全装置の設置義務化について解説と対応
お役立ち情報 幼稚園、保育園運営
2023/03/06
2022年に静岡県の認定こども園で、園児がバスの中に5時間置き去りになり死亡した事故を受けて、2023年4月1日から「送迎バスの置き去り防止安全装置」の設置が義務化されました。(1年間の経過措置があります)
国が策定する安全装置のガイドライン、補助金、対象製品、設置方法について説明します。
安全装置のガイドラインの装置
(1)降車時確認式の装置の作動(押しボタン式など)
・エンジン停止後、運転者等に車内の確認を促す車内向けの警報を発する
・運転者等が、置き去りにされたこどもがいないか確認しながら車内を移動し、車両後部の装置を操作することで、警報を解除可能
・車内の確認と装置の操作が行われないまま一定時間が経過すると、更に車外向けの警報を発する
(2)自動検知式の装置の作動
・エンジン停止から一定時間後にカメラ等のセンサーにより車内の検知を開始する
・置き去りにされたこどもを検知した場合、車外向けの警報を発する
(3)両方式に共通の要件<
・運転者等が車内の確認を怠った場合等には、速やかに車内への警報を行い、15分以内に車外への警報を発すること(※自動検知式においては15分以内にセンサーの作動を開始)
・こども等がいたずらできない位置に警報を停止する装置を設置すること
・十分な耐久性を有すること(例:−30~65℃への耐温性、耐震性、防水・防塵性等)
・装置が故障・電源喪失した場合には、運転者等に対してアラーム等で故障を通知すること(※)
※電源プラグを容易に外せない装置に限り、回路を二重系にして故障の確率を低くした場合には、電源喪失時の故障の通知要件を緩和する。
▼参考
国土交通省 送迎用バスの置き去り防止を支援する安全装置のガイドラインを策定しました
補助金対象製品
政府のガイドラインの性能要件を満たし、合格した企業の製品については、こちらで発表されています。
令和5年2月22日時点では18製品が認定適合。
今後も認定適合する製品が増えていくことが予想されます。
▼参考
内閣府 送迎用バスの置き去り防止を支援する安全装置のリストについて
方式としては、
・降車時確認式 11製品
・自動検知式 1製品
・併用式 6製品
となっています。
安全装置の設置対象
・全国の幼稚園、認定こども園、保育所、特別支援学校などの送迎バス、計約44,000台
補助金額
・安全装置の購入および設置費用として、1台あたり17万5千円(別途、市区町村より補助金あり)
製品と設置工事についての最新情報
・2023年3月時点では、補助金対象は18製品ですが、現在、認定申請中の製品も多く、今後対象品が増加することが予想されています。
・現状では、導入側、供給側、行政側も混乱しており、今後,内容が変更になる可能性もあります。
・設置工事については、1台あたり5時間以上かかると思われます。
そのため、設置工事は夏休み期間中など、バスが稼働しない期間に集中することが予想されます。
・製品と設置工事の費用は17万円前後になることが想定されています。
・モークルでも、安全装置の販売と設置工事について計画をしています。
「MOQUL(モークル)」について詳しくはこちら
https://moqul.net/
まとめ
- 幼稚園、認定こども園、保育所、特別支援学校などで送迎バスを運行している施設は、安全装置の装備が義務化される
- 義務化は2023年4月1日から1年間
- 製品の確保と設置工事、申請について、最新情報のチェックが必要