地方自治体における買い物送迎サービスとは?必要性や実例を詳しく解説
お役立ち情報
2022/10/21
近年、高齢で自動車の運転が困難になった、身近な商店が閉店した、などの理由で買い物に不自由を感じている、いわゆる「買い物弱者」が増えています。
過疎地だけでなく、都市部の住宅団地や中心市街地でも買い物弱者が増加傾向にあり、全国的に大きな問題となっていますが、こうした状況を受け、各自治体では問題の解決に向けて「買い物送迎サービス」が積極的に行われるようになりました。
この記事では、地方自治体における買い物送迎サービスやその必要性について詳しく解説。実際にどのような方法で支援が行われているのか、買い物送迎サービスの実例も取り上げてご紹介します。
自治体における買い物送迎サービス
移動手段が無く、日々の買い物が困難になっている高齢者向けに、近年多くの自治体で提供がスタートしているのが「買い物送迎サービス」です。
高齢者の方で、公共交通機関などで買い物に行けない方を対象に、バスやワゴン車などで、希望者の自宅から店舗まで送迎を行います。
利用料金は、それぞれの自治体で利用しやすいシステムが採用され、自治体などで負担し利用者は無料のところや一定の料金を設定し回数券を購入して乗車するなど、さまざまです。
また、車や自転車での移動が難しい妊娠中の方や乳幼児を抱える方、障がい者手帳を持つ方なども、サービスの対象となっています。
買い物送迎サービスの必要性
買い物送迎サービスが増加している背景には、車の運転が困難な高齢者の増加、公共交通機関の廃止による移動手段の減少などの要因があります。
また、地域の人口減少に伴い経営が厳しくなり、徒歩圏内で営業していた地元小売業が廃業したこと、中心市街地や既存商店街が衰退しスーパーが閉店・撤退したことで、買い物が困難になったことも大きな原因となっています。
日々の買い物に不便や苦労を感じている、いわゆる「買い物弱者」は、過疎地域だけでなく都市部でも高齢者を中心に増加傾向にあり、国と自治体が連携してこの問題の解決に取り組んでいくことが早急に求められています。
農林水産省の調査によると、買い物弱者問題への対策を必要としている市町村のうち、約90%以上で自治体や民間事業者などによる買い物支援対策が実施されています。さらなる要望も寄せられており、買い物送迎サービスの必要性は年々高まっていると考えられます。
▼参考 農林水産省 令和3年度「食料品アクセス問題」に関する全国市町村アンケート調査結果
https://www.maff.go.jp/j/shokusan/eat/attach/pdf/access_genjo-5.pdf
買い物送迎サービスの実例
では、具体的にどのような方法で買い物送迎サービスが行われているのでしょうか?
全国の自治体で提供されている買い物送迎サービスの中から、3つの実例を取り上げてご紹介します。
「買いもん行こカー」 生活協同組合コープこうべ 兵庫県
保育園の登降園管理システムを選ぶ際には、タブレット端末にタッチしたりICカードを利用したりするなど、いくつかの方法があります。
どの方法で打刻を行うのか、それぞれの園にあったシステムを選択しましょう。
ICカードで行う場合、カード忘れや紛失の際には、代わりの打刻手段やどう対処するのかも周知しておく必要があります。
▼参考 無料買い物送迎車 コープ「買いもん行こカー」
https://www.kobe.coop.or.jp/kaimonoshien/pdf/kaimonoIkoka.pdf
高齢者買い物送迎支援事業「買い物ツアーかわせみ」東京都三鷹市
「買い物ツアーかわせみ」は、東京都三鷹市大沢で知的障害者福祉施設を運営する「社会福祉法人にじの会」の買い物送迎支援事業です。
サービス開始のきっかけは、大沢エリアに商店がなく、住民が買い物難民状態であることが話題に上り、にじの会に相談に来たこと。
地域住民に知的障害者の就労支援事業を理解してもらうことも目的に、2017年にスタートしました。
週3回、10時30分から13時30分の間の時間帯に無料で送迎サービスを実施。ある程度自力で歩ける方、という利用条件で、施設で使用している送迎用バンを利用し、利用者の自宅からスーパーやホームセンターなどへ送迎します。
買い物後には、近くの飲食店でランチを楽しみながらの交流の機会も提供。なつかしい話や健康の話などに花が咲き、とても充実した時間になっているそうです。スタートから現在までに300回を超える実績があり、約1,600人以上が参加しているとのこと。
今後も利用者のケガがないように買い物支援を継続し、利用者送迎の空き時間を利用した買い物送迎支援事業に取り組む福祉法人も増やしていきたいと考えているそうです。
▼参考 東京都地域公益活動推進協議会
https://www.tcsw.tvac.or.jp/koueki/torikumi/2020-0924-1623-42.html
「地域貢献送迎バス」横浜市磯子区
横浜市では、身近な移動手段を確保するための、地域交通の維持・充実に向けた取り組みの1つとして、2021年から「地域貢献送迎バス」の運行を開始しました。
既存のバス路線等を補完する移動手段を確保するために、送迎バスの空席を活用する取り組みです。
食品館あおばと連携し、岡村店の「お買物バス」の空席を活用して、磯子区岡村・滝頭・磯子地区周辺の住民が誰でも利用できるコミュニティバスとして運行。
運行日時は、月・水・金曜日の午前 10 時頃から午後5時頃までの計8便で、2コースで運行されています。車両は定員29名のマイクロバスで、利用料は無料です。
横浜市道路局と地域との連携によって、店舗利用客以外でも自由に乗り降りできるという便利なシステムで、今後の積極的な利用が期待されています。
▼参考 食品館あおば 記者発表資料
https://www.city.yokohama.lg.jp/city-info/koho-kocho/press/doro/2020/0217isogo-bus.files/20210217isogo-bus.pdf
位置情報LINE通知システム「モークル」で買い物支援がさらに便利に
さまざまな自治体で増加している買い物送迎サービスですが、コミュニティバスを使った買い物支援時に、利用者の満足度をさらに高められるのが、位置情報LINE通知システム「MOQUL(モークル)」です。
「MOQUL(モークル)」は、専用のアプリなどをインストールする必要がなく、多くの方が利用しているLINEを使用するのが大きな特徴。
15秒毎の更新で、バスの現在位置を正確に知ることができ、利用者が知りたいタイミングで問い合わせた時だけ通知を受け取ることが可能です。
買い物に出かけようという時に、「バスがいつ来るのかわからない」という状態では、利用者の不安やイライラが増してしまいます。
あとどれくらいでバスが到着するのかをリアルタイムで知ることができれば、そうした不安が解消され、安心して買い物を楽しむことができます。待ち時間も有効活用でき、利用者満足度の向上につながるでしょう。
地域住民の利用者ニーズに応えることで、買い物支援サービスをさらに多くの方に利用してもらえることも期待できます。
コミュニティバスを使った買い物送迎サービスを充実させ、利用者満足度をアップさせることのできる位置情報LINE通知システム「MOQUL(モークル)」。ぜひ、導入を検討してみてはいかがでしょうか?
「MOQUL(モークル)」について詳しくはこちら
https://moqul.net/
まとめ
- 買い物が困難な高齢者向けに「買い物送迎サービス」の提供が各自治体で増えている
- 買い物送迎サービス増加の背景は、高齢化や公共交通機関の廃止、近隣小売店の閉店など
- 全国各地で自治体と事業者が連携し、地域に密着したサービスが提供されている
- 位置情報通知システム「モークル」の導入で、コミュニティバスを使った買い物送迎サービスの満足度を向上できる