コラム

トップ > コラム > 企業主導型保育所とは?認可保育所との違いやメリット・デメリットを紹介

企業主導型保育所とは?認可保育所との違いやメリット・デメリットを紹介

幼稚園、保育園運営

2022/01/28

近年、企業主導型保育所の開設が相次いでいます。
企業主導型保育所とはどのような保育施設なのでしょうか。
本記事では企業が保育所を開設するメリット・デメリットや注意しておくべきポイントを解説します。

企業主導型保育所とは?

企業主導型保育所は、端的に言うと「企業などの事業主が従業員のために事業所内や駅前、従業員の居住地域等につくる保育所」のことです。
平成28年から設置され始めた新しい形態の保育施設です。
平成28年は871施設でしたが、令和3年(2021年)7月1日時点で4,161施設が運営されています。

参考:企業主導型保育事業ポータル 企業主導型保育施設一覧(定員充足状況含む)(令和3年7月初日現在)について
https://www.kigyounaihoiku.jp/wp-content/uploads/2021/11/20211112-02-01.pdf

制度ができた背景は待機児童や小1の壁

平成27年4月、地域における子育てを量と質の両面から支援する「子ども・子育て支援新制度」が始まりました。
この新制度では、待機児童や小1の壁といった働く女性の仕事と子育ての両立を困難にする課題を解決して子どもを産み育てやすい社会を実現することを目指しています。
そのような中、仕事・子育て両立支援の一環として平成28年度に創設された助成制度が「企業主導型保育事業」です。
企業が従業員のために設置する保育施設の整備・運営費用を助成しています。
その助成を受けて設置されたのが企業主導型保育所なのです。

企業主導型保育所の特徴

一般事業主が運営する認可外の保育施設

認可保育所に入園する際には自治体による審査があります。
このため待機児童の多い地域だと保育園に入園できず離職せざるを得ないという事態も生じています。
一方、認可外の保育施設は利用者と直接契約します。
自治体の審査を必要としないので、保育認定されていない従業員でも就労条件等を満たしていれば保育所を利用できます。

多様で柔軟な保育サービスを提供

自社の従業員の働き方やニーズに合わせて保育施設を運営できます。
例えば、短時間や週に2日のみ働く従業員の子どもや、早朝や夜間、日曜祝日といった認可の保育施設が開園していない時間帯・曜日に働く従業員の子どもの受け入れが可能です。

企業単独または共同で設置・利用が可能

保育を主たる事業としていない法人が保育施設を運営する際に、保育士などの人材や入園児の確保は大きな課題です。
企業主導型保育施設では4つの設置方式が認められています。
単独では保育施設の設置や運営が難しい場合は共同で行うことができます。

  • 単独設置・単独利用型:企業が単独で設置・利用
  • 単独設置・共同利用型:企業が単独で設置し、共同で利用
  • 共同設置・共同利用型:複数の企業が共同で設置し、共同で利用
  • 保育事業者設置型:保育事業者が設置した施設を1つまたは複数の企業が共同利用

地域枠の設定が可能

従業員枠に加えて定員の50%以内であれば地域の子どもの受け入れ枠を設定できます。
従業員だけだと利用者は限定的になりますが、地域住民に対象範囲が広がると安定的に利用者を確保することが見込まれます。

企業主導型保育所のメリット・デメリット

企業主導型保育所を設置運営することによって企業が得られるメリットとデメリットを紹介します。

企業主導型保育所のメリット

・人材の確保

従業員は就労条件に合った子どもの預け先があることで仕事と子育てを両立しやすくなり、妊娠中や子育て中の離職防止になります。
また、従業員のワークライフバランスに取り組む企業として企業イメージが向上すると入社希望者数の増加が見込まれ、優秀な人材の採用にもつながります。

・助成金の受け取り

保育施設の整備費と運営費は認可施設と同水準で助成を受けることができます。
整備費は工事費用の3/4相当分の定額が交付されます。
運営費もほぼ同水準の補助で、延長・夜間保育加算等の加算が付いたり、利用者負担額を認可施設と同様の水準に設定したりできます。

・運営リスクの低減

企業主導型保育施設は複数の企業が共同で設置や利用することが可能なことから、単独で運営するよりも運営上のリスクを低減することが可能です。

企業主導型保育所のデメリット

企業主導型保育所は認可外施設という特徴があるがゆえに、以下のようなデメリットもあります。

  • 「保育の質が低い」というイメージをもたれてしまう。
  • 行政からの支援は期待できず企業自ら園児や保育士を募集する必要がある。
  • 定員割れになると経営難になるリスクがある。

企業主導型保育所を開設する際の注意点

園児の保護者である従業員や地域住民のニーズを把握する

毎年設置数が増えている企業主導型保育所ですが、助成取消・取りやめ・休止となっている施設もあります。
令和2年度の助成取消・取りやめ・休止施設の状況によると、事業の取りやめ事由は以下のとおりです。

  • 今後の利用見込みが見込めず閉園するため(11施設)
  • 認可保育所(小規模保育事業)へ移行するため(5施設)
  • 運営中の他園と集約し閉園するため(1施設)
  • 経営破綻のため(1施設)

また、1ヵ月以上休止した施設の休止事由には、新型コロナウィルス感染症への対応のため(93施設)の他に以下の事由があります。

  • 利用を希望する児童がいないため(6施設)
  • 保育士を確保できなくなったため(4施設)

このことから、企業主導型保育所を安定して運営していくためには、設置前に利用予定者のニーズを把握して利用見込みを立てておくことと保育士の確保が大きな課題であることがわかります。

参考:企業主導型保育事業ポータル 令和2年度 企業主導型保育事業における助成取消・取りやめ・休止施設の状況
https://www.kigyounaihoiku.jp/wp-content/uploads/2021/11/20211122-02-01.pdf

保育の有資格者が業務過多にならない仕組みを検討する

保育業界全体の課題の一つに保育士の業務の多さがあります。
無資格者は認可施設では「保育補助」として保育士の指示のもと働くので、計画類を作成したりクラス担任を受け持ったりすることはありません。
一方、認可外保育施設では無資格者でも担任や副担任として活躍できますが、保育の質を保つためには有資格者が中心となって動かなければなりません。
そのような状況だと認可保育施設以上に有資格者に業務が集中してしまいます。
このため、企業主導型保育所のような認可外保育施設では特に保育士の業務効率化を図っていく必要があります。

企業主導型保育所の運営を軌道に乗せるICTシステム「うぇぶさくら」

保育士の業務効率化を図る際に併せて検討したいのがICT化です。
今回紹介する「うぇぶさくら」は、保育園や幼稚園の先生たちの希望から生まれた総合保育管理システムです。
指導計画の作成管理や連絡帳といった保育士向けの機能以外にも、登降園管理や職員の勤怠管理といった保育園の運営に関わる様々な業務が一元的に管理されています。

▼総合保育管理システムうぇぶさくら
https://web-sakura.jp/

保育士は日誌や連絡帳を記載しながら日々の活動を振り返り、次の活動計画を立てていかなくてはなりません。
複数の機能が一元管理されているうぇぶさくらを使用すれば、連絡帳や月案などで使った文言をシステム上でコピーアンドペーストしながら文章を作成し、文書作成の時間を短縮できます。
空いた時間を保育に充てられるようになり、業務効率化は保育の質を高めていくことにつながります。
また、利用者への保育料の請求を自ら行っている企業主導型保育所では、うぇぶさくらの請求管理機能も活用できます。
うぇぶさくらには園児ごとの保育料の確認や請求書の発行・印刷に加え、保育料の回収漏れを防止する機能が備わっています。
企業主導型保育所の安定した経営のためにも保育料の請求は欠かせません。
うぇぶさくらを活用することで未回収をなくすことができるでしょう。

弊社でもうぇぶさくらを取り扱っておりますので、お問い合わせはお気軽にどうぞ!
https://moqul.net/contact

まとめ

企業主導型保育所は、企業などが助成を受けて従業員のために開設する保育所です。
認可外保育施設のため開園時間など利用者のニーズに合わせて保育サービスを提供できますが、定員割れをすると経営が難しくなるため開設時より利用の見込みを立てておくことが必要です。
ICT化の導入によって保育士の業務効率化を図ることで有資格者の業務過多を防ぎ、質の高い保育の実現につなげていくことができるでしょう。

コラム一覧に戻る

おすすめ記事

カテゴリ

今すぐモークルの画面をお試し! 今すぐモークルの画面をお試し!