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保育園の避難訓練のねらいとは?園児に伝える訓練の大切さ

幼稚園、保育園運営

2022/10/28

火災や地震等の災害発生時や不審者が現れた時に慌てず安全に避難できるよう、保育園では毎月避難訓練をしています。
本記事では避難訓練の目的や子どもたちにどうやって避難訓練の大切さを伝えていくか、必要な準備と併せて解説します。

保育園で避難訓練をする目的

「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準(昭和23年12月29日厚生省令第63号)」において、保育園では少なくとも毎月1回は避難訓練を行わなければならないとされています。
様々な想定災害に対して避難訓練を実施しますが、毎回のねらいは共通しています。

子どもにとってのねらい

子どもたちにとっての避難訓練のねらいは以下のような姿になることです。
・保育士の指示に従って安全に避難できるようになる
・避難する時の流れを知り、落ち着いて行動できるようになる

実際に災害などが起こった際にいつもと違う雰囲気を感じて泣き出しまう子どももいるでしょう。
それによって避難が遅れると被害が拡大してしまう可能性もあります。
そこで繰り返し避難訓練に参加することでどのような行動を取るのか知ると、子どもは落ち着くことができるでしょう。
また、勝手に動くのではなく、保育士の指示に従って行動することが大事です。
日頃から朝のお集まりの時間などで保育士の周りに集まって静かに話を聞く習慣をつけておくことが必要です。

保育士にとってのねらい

保育士にとってのねらいは以下のとおりです。
・実際に避難が必要となった時に冷静な判断ができるようになる
・子どもたちに対して適切な指示を出して安全に避難させる
・訓練時の個人や全体の行動を振り返り、改善点を洗い出す

実際の災害発生時に保育士がパニックになってしまうと、子どもたちも動揺してしまいます。
避難訓練は保育士が適切な行動を取れるようになる練習の場でもあり、問題が見つかれば改善点を考え、実際に災害等が起きた時に備えることができます。

保護者にとってのねらい

保護者が避難訓練に実際に参加する機会は限られていますが、保護者にとってもねらいはあります。

・災害時の園との連絡方法や引き渡し方法を知る

保護者も参加する避難訓練として引き取り訓練を行なっている保育園もあります。
災害の際は通常の保育室とは異なる場所(園庭やホールなど)での引き取りとなるので、訓練の際に避難経路の確認や引き取る際の手順を確認します。

「避難訓練の大切さ」園児へどう伝える?

避難訓練を実施する前に保育士は子どもたちに対してなぜ避難訓練を実施する必要があるのか・避難訓練ではどのように行動しなければならないのか説明します。
子どもたちの理解を促すには分かりやすく伝えることが大切です。
言葉だけでは伝わらないものでも、視覚に訴えることで伝わりやすくなります。

絵本や紙芝居の読み聞かせ

災害をテーマにした絵本や紙芝居の読み聞かせはおすすめの方法です。
災害に関連する用語は幼児にとって難しいものが多く、口頭での説明だけでは理解が難しいですが、イラストがあることで子どもたちはイメージしやすくなります。
また、絵本や紙芝居はストーリー性があるため、子どもたちは楽しみながら防災に関する知識を身につけられるでしょう。
絵本ナビでは、防災の絵本・紙芝居の特集ページにておすすめ作品が紹介されています。
絵本・紙芝居選びの参考にするとよいでしょう。

参考:絵本ナビ テーマ 防災の絵本・紙芝居
https://www.ehonnavi.net/special.asp?n=1984

パネルシアターやペープサート、保育士による寸劇

紙でできた人形や保育士自身が動くと子どもたちの注目が集まります。
子どもたちに強いインパクトを残したい時は、パネルシアターやペープサート、保育士が演じる寸劇をするとよいでしょう。
物語は保育士がオリジナルで作る必要がありますが、子どもたちに伝えたい内容を盛り込むことができます。
寸劇では保育士が園児役になり、災害が発生した場合に取るべき行動・取ってはいけない行動を示していきます。
劇の途中で「こんなときはどうすればいいかな?」「なにがいけなかったかな?」といった声かけをすると参加型となり、子どもたちも楽しみながら避難訓練に対する理解を深めていくでしょう。

クイズの出題

幼児に対しては避難訓練に関連したクイズを用意するのもよいでしょう。
例えば、避難訓練の際に用いられる言葉「おかしもち」を使って避難する時の約束事を確認します。

【お】おさない
【か】かけない(走らない)
【し】しゃべらない
【も】もどらない
【ち】ちかよらない

例:「急いで逃げないといけないから走って逃げた。〇か×か?」(答え×)

保育園で避難訓練をするための準備

毎月実施する避難訓練には準備が欠かせません。
必要とされる準備には避難訓練計画の作成やマニュアル作成、実際の避難の際に持ち出す用具のチェックがあります。

避難訓練の計画をしっかり立てる

避難訓練計画の作成の際は、まず年間計画を立てます。
想定される災害には、地震、火災、台風、大雨、大雪、洪水、土砂災害、津波などがあります。
地震の場合は震度4と震度7では被害状況も異なり、避難方法や手段も違います。
このため様々な状況に対応できるよう、年間を通して計画を立てていきます。
また、災害だけでなく不審者が出没した時の避難も含めて考えましょう。
年間計画書に盛り込むべき内容には、下記のものがあります。

避難訓練 年間計画書項目例
・実施予定日と時間
・想定災害(地震・火災・台風、引き渡し、不審者対応など)
・想定災害規模(震度6の地震で調理室より出火、園庭遊び中に震度4の地震発生など)
・目的・ねらい
・指導内容や留意点

年間計画を作成したら、各避難訓練の担当者はデイリープログラムを作成して当日の流れや職員の動きがわかるようにします。

災害別のマニュアルを作成する

前述したように災害によってその訓練内容は異なります。
想定した災害に応じた避難ができるよう、それぞれの避難の仕方をまとめます。
併せて職員全員の役割分担や避難経路、避難場所の地図、避難の際の準備物などを掲載し、マニュアルとして整備しておくと避難訓練の際にも活用できるでしょう。

避難訓練に必要な道具を準備する

経済産業省『想定外から子どもを守る保育施設のための防災ハンドブック』には防災グッズのチェックリストが掲載されています。
持ち出し用リュックの中身と、保育園と避難先に備蓄しておく日用品・食料品のリストがありますので、参考にして準備するとよいでしょう。

参考:経済産業省 想定外から子どもを守る保育施設のための防災ハンドブック
https://bosaijapan.jp/app/uploads/2018/12/METI.pdf

保育ICTシステム「うぇぶさくら」で情報共有や管理を

避難訓練の実施連絡や実際に災害が発生して避難した時にはICTシステムを活用して保護者に連絡を取ることができます。
総合保育支援システム「うぇぶさくら」にはメッセージ機能があります。
保育園から保護者へメッセージが送信でき、既読機能がついているので災害時の安否確認にも使用できます。
電話がつながりにくい状況でも保護者に一斉送信できるので、迅速に保護者へメッセージを伝えたい時には有効活用できるでしょう。

▼総合保育管理システム うぇぶさくら
https://web-sakura.jp/

弊社でもうぇぶさくらを取り扱っておりますので、お問い合わせはお気軽にどうぞ!
https://moqul.net/contact

まとめ

保育園の避難訓練では、保育士が冷静に判断して出した指示に従って子どもたちが安全に避難できるようになることをねらいとしています。
子どもたちに避難訓練の大切さを伝えるためには、絵本や紙芝居、寸劇などの視覚的な方法を用いてわかりやすく伝えると効果的です。
避難訓練の実施に当たっては年間計画を立て、当日のデイリープログラムを作り、各保育士が担当する役割を担います。
災害時の迅速な安否確認にはICTシステムのメッセージ機能を活用することができるでしょう。

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