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保育士をやめたい!離職を防止する業務改善策とは

幼稚園、保育園運営

2022/04/22

令和3年11月19日の閣議決定で話題となった保育士に対する処遇改善が令和4年2月より始まりました。
「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」の一環として他業種に比べて低水準である保育士の給与を上昇させて、給与面の不満を解消することが期待されています。
給与面だけでなく業務負担が多いことからも保育業界では人材の確保が難しい状況が続いています。
本記事では保育士をやめたいと思う理由から保育業界の課題を捉え、業務負担を軽減する取り組みについて解説します。

保育士の離職の特徴

保育士が離職していく現状には特徴があります。

離職率は10%弱

保育所で勤務する常勤の保育士の離職率は、平成29年時点で9.3%です。
公営・私営別で見ると、公営が5.9%、私営が10.7%で、私営保育所の離職率が高くなっています。
公営と私営では職場環境が大きく異なります。
公営保育所は保育方針に差がなく、保育士は地方公務員なので雇用や給料が安定していて定時であがれるという特徴があります。
一方、私営保育所は運営している団体によって保育方針に差があり、給料や勤務体系も団体独自によるもので差が見られます。
このため、私営保育所で働く保育士は方針等が自分には合わないと感じることがあるでしょう。
このような背景から私営の方が公営よりも離職率が高くなっていると考えられます。

有効求人倍率が高い

平成29年の保育士の有効求人倍率は最も高い月で3.4倍でした。
求人数が多く常に募集がある保育業界は比較的容易に転職が可能です。
保育の受け皿が足りていないという課題に対して、政府は令和6年度末まで「新子育て安心プラン」における受け皿整備に取り組んでいます。
新子育て安心プランの柱の一つには「魅力向上を通じた保育士の確保」も含まれています。
保育士が生涯働ける魅力ある職場づくりを推進するとともに、保育という職業の魅力を広く発信することを目的としてます。

中堅保育士がいない

保育士を経験年数別で見ると、4年未満の保育士の割合と14年以上の保育士の割合はそれぞれ約3割でした。
4年以上の勤務経験がある中堅保育士の割合が少なくなっていることから、保育士になって数年でやめてしまう早期退職が多いことがうかがえます。
特に新人保育士は雑用が多く、保育以外のことに時間が取られてしまいます。
3~4年目になるとクラスリーダーを任されるなど責任が重くなります。
忙しく余裕がない中で思っていたような保育ができずにいると生じるのが理想と現実のギャップです。
ギャップに直面して保育のやりがいを感じられなくなり、離職を選ぶ保育士が後を絶ちません。

出典:厚生労働省「保育士の現状と主な取組」
https://www.mhlw.go.jp/content/11907000/000661531.pdf

保育士をやめたいと思う理由

保育士に限らず、仕事の負担や人間関係によって精神的にストレスを溜めたり、職場に対して何らかの不満を抱えたりすると、仕事をやめたいと思うようになります。
ここでは平成30年度東京都保育士実態調査の結果から、保育士の主な離職原因を3つ紹介します。

出典:東京都福祉保健局「平成30年度東京都保育士実態調査」
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/kodomo/shikaku/30hoikushichousa.files/430chosakekkashosai.pdf

給料が安い

令和2年賃金構造基本統計調査によると、保育士の平均賃金は1,100円となっています。
子どもの命を預かる責任の重い仕事であり、シフト制で年間休日も少ない労働条件であることを考慮すると、少ない給料と感じるのも仕方ありません。
実際に職場満足度で給与・賞与等に不満を感じているのは、やや不満(19.3%)、不満(18.8%)、非常に不満(19.7%)を合わせると57.8%となり半数を超えています。

出典:令和2年賃金構造基本統計調査による職種別平均賃金(時給換算)
https://www.mhlw.go.jp/content/000817351.pdf

仕事量が多い

保育士は通常の保育業務に加えて事務業務があり、その中でも時間がかかるのが保育計画や指導案の作成です。
子どもの見守り中や午睡中に交代で事務時間を取りますが、勤務時間内に事務が終わらなければ残業をしたり持ち帰ったりして事務を終わらせています。
職場に対して日ごろ改善してほしいと思っている点にも「事務・雑務の軽減」が挙げられています。

労働時間が長い

通常、保育士の勤務時間は超勤にならないようシフトが組まれています。
しかしながら、お迎えの時間になっても保護者が現れないために子どもを引き渡せなかったり、すぐに降園しない保護者や子どもの対応に追われたりすることもあります。
そのような事態が起こると予定の勤務時間どおりに退勤できません。
また、病欠など突然の欠勤によって保育士の配置基準が満たせない可能性があると、出勤時にあらかじめ超勤をお願いされることもあります。
その日の園児や職員の状況によって超勤が必要になるかどうか決まることが働きにくさを感じさせやすくなっています。

保育士の業務改善に向けた取り組み

保育士が離職せずに働き続けるためには、現状の不満が解消されて保育が魅力ある仕事だと再認識されることが必要です。
本記事の冒頭でも触れたとおり、給与面については令和4年2月から新たな処遇改善が始まっています。
給与面以外に関しても、厚生労働省は「保育の現場・職業の魅力向上検討会」を立ち上げ、保育士が生涯働ける魅力ある職場づくりを推進するための働き方改革と業務効率化・業務改善について検討を重ねてきました。
具体的な取り組みとして、作成書類の在り方を踏まえたICT化やノンコンタクトタイムの確保などが挙げられています。
また、検討会の報告書を元にして令和2年度には『保育分野の業務負担軽減・業務の再構築のためのガイドライン』が策定され、令和4年3月には『業務改善実践に向けた事例集』が公表されました。
事例集ではおたよりの作成から仕分け・配布までをICT化することによって時間と経費を節約できる具体的な事例が紹介されています。

出典:厚生労働省「保育の現場・職業の魅力向上検討会 報告書」https://www.mhlw.go.jp/content/11907000/000677596.pdf出典:厚生労働省保育分野の業務負担軽減・業務の再構築のためのガイドライン
https://www.mhlw.go.jp/content/000763301.pdf出典:業務改善実践に向けた事例集https://www.mhlw.go.jp/content/000928266.pdf

ICT化によって業務改善するなら「うぇぶさくら」がおすすめ

事例集で紹介されているように、ICT化によって保育士の業務負担を軽減することが可能になります。
「うぇぶさくら」は、園で行われる様々な管理業務をWeb上で一元管理できる総合保育管理システムです。
現場の保育士の意見をもとに作られたシステムのため、パソコンが苦手な人でも簡単に操作できるようになっています。

業務負担を軽減するうぇぶさくらの機能の一例を紹介します。

・指導計画機能
参照辞書機能で保育所保育指針の参考文章が参照できるので、若手保育士でも効率よく文章を組み立てて作成できます。

・連絡帳機能
複数の園児に共通する項目は一括編集ができるので作業時間を短縮できます。

・メッセージ機能
園からはお知らせや行事内容などの連絡を作成・送信できます。
既読機能が付いているので連絡漏れもありません。

うぇぶさくらによる効率化によって生まれた時間は園児たちとの触れ合いに充てられます。
保育時間が増えて充実感を得られるようになると離職率の低減にもつながっていくでしょう。

▼総合保育管理システム うぇぶさくら
https://web-sakura.jp/

弊社でもうぇぶさくらを取り扱っておりますので、お問い合わせはお気軽にどうぞ!
https://moqul.net/contact

まとめ

保育士をやめたいと思う主な理由には給与の低さ・仕事量の多さ・労働時間の長さがあります。
政府でも保育の魅力向上を通して保育人材を確保しようと施策例を挙げています。
その中の一つがICT化による業務負担の軽減です。
ICT化によって事務作業が効率化されれば時間に余裕が生まれて保育の充実感が高まっていくでしょう。
保育士の離職を防ぐためにもぜひICT化を検討してみてください。

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