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保育の質の向上を目指すには?必要な取り組みを具体的に紹介!

幼稚園、保育園運営

2023/04/27

平成27年4月に始まった「子ども・子育て支援新制度」では、「量」だけではなく「質」の面からの子育て支援も掲げられています。
保育の質の時代と言われるようになり、質の確保と向上がこれからの保育には欠かせません。
本記事では保育の質と、向上を目指す取り組みが具体的にはどのようなものなのか解説します。

 

保育の質とは?

保育の質は一元的に定義できるものではありません。
それぞれの社会や文化における保育の機能や方向性の捉え方や価値づけが異なることから、相対的で多元的なもの考えられているからです。
これまでの知見を整理した包括的な定義としては、以下のOECD(経済協力開発機構)による定義が知られています。

「子どもたちが心身ともに満たされ、より豊かに生きていくことを支える保育の場が準備する環境や経験」(OECD,2015)

保育の質の3つの観点

相対的で多元的な保育の質ですが、捉えるための観点が主に3つあります。
「内容」「環境」「人材」です。
「内容」では、「養護と教育が一体となって展開される」ために保育のねらいと内容を明確にして職員・保護者・地域に周知し、自己評価や第三者評価によって内容を振り返ります。
「環境」では、子どもや保育士といった人的環境、施設や遊具などの物的環境を総合的に捉えて子どもの主体的な活動を生み出す環境を構成します。
そのための危機管理や保守管理も環境の整備に含まれます。
「人材」では、施設長がリーダーシップを発揮して行う組織体制の整備や、内外での研修を通した人材育成が該当します。
この3つの観点には関連する基準が定められており、基準を元にして質の確保と向上に資する取り組みが進められています。
それぞれの観点に対応する基準には次のようなものがあります。

地方自治体の中には独自に保育の質について考え、ガイドラインやガイドブックを策定しているところもあります。
例えば、川崎市では「保育の質ガイドライン」を発行しています。
ガイドラインの中で保育の質を構成する要素として挙げられているのが「保育内容としての要素(ソフト面)」「人材としての要素(組織管理体制)」「保育環境としての要素(ハード面)」です。
これらの3つの要素から構成される「保育者と子どもの関係の質」が保育の質であるとしています。

参考:川崎市「保育の質ガイドブック」
https://www.city.kawasaki.jp/450/cmsfiles/contents/0000050/50742/hoikunoshitu.pdf

 

保育の質を向上させるための取り組み

保育の質を向上させるための取り組みとして、「内容」「環境」「人材」の観点から具体例を紹介します。

保育内容の振り返り

保育内容は、保育士自身による自己評価によって振り返り、改善・充実に向けて検討し、次の指導計画に反映させるというサイクルを繰り返すことで質が向上します。
そのためには職員同士が対話する時間を定期的に設けて振り返りを実施します。
また、保育士個人レベルだけでなく、組織レベルで全職員の共通理解の下で行われる自己評価も必要です。
組織による自己評価の結果は保護者や地域に対して公表し、保育の「見える化」を図ることも併せて行います。

安全な保育環境の整備

保育所保育指針でも「子どもの健康及び安全の確保は、子どもの生命の保持と健やかな生活の基本」であると記載されているように、安全な保育環境を整備することは保育の質を確保するために極めて重要です。
安全な保育環境の整備に欠かせない取り組みの一つが、事故の防止です。
園での事故防止のためには、具体的には次のような取り組みが考えられます。
・ガイドラインを基にした園独自のマニュアルを作成して職員研修を実施する。
・実際に生じた事故事例(ヒヤリハットを含む)を職員間で共有して再発防止策を検討する。

もう一つの重要な取り組みは、適切な職員配置です。
職員の配置は国による配置基準に沿ったものですが、実際にはその人数だけでは子ども一人ひとりに対応するのは難しい状態です。
そのため、園によってはフリー保育士を配置して担任をサポートさせるなど、保育がどの子どもにも行き届くように職員配置を工夫しています。

保育士の働きやすい環境づくり

保育士が働きやすい環境を作るためには、保育士業務の軽減を図ることが欠かせません。
保育士の仕事内容で大きな負担となっているのが事務作業です。
日中は保育だけで時間が取られてしまい、事務作業に時間を割けないことがほとんどです。休憩時間を削って作業することも多々あります。
事務作業を軽減するためには次のような方法で効率化を図ることを検討すべきです。
・業務の優先順位を決めて見直しをする。
・保育士間で業務分担する。
・ICTシステムを導入する。

人間関係改善のための取り組みも保育士が働きやすい環境をつくるためには不可欠です。
保育士の離職理由として上位に挙げられるのが職場の人間関係だからです。
例えば次のような取り組みが考えられます。
・職員同士の交流会を企画し、親睦を深める。
・ストレスチェックの実施や相談窓口を設けるなど、メンタル面でのサポート体制を確立する。

保育士のスキルアップ支援

保育士の人材育成は優秀な人材の確保という点でも重要な課題です。
保育士一人ひとりの能力向上は、業務の効率化や保育の質の向上につながるからです。
具体的な取り組みとしては、外部の研修への参加だけでなく、内部での研修や希望者による勉強会を企画・実施することも必要となります。
その際には保育士のキャリアプランを確認し、本人の意思を尊重しながら意欲と専門性を高めていくことが大切です。

 

保育の質を高めるICTシステム

保育士の働きやすい環境づくりでも触れたように、ICTシステム導入によって事務作業の効率化が図られると保育の質の向上につながることが期待されます。
子ども一人ひとりに寄り添った保育を行うためには子どもと接する時間が十分なければなりません。
ICTシステム化によってこれまで手作業だった事務作業がパソコン上でできると、作業にかかる時間が短縮されます。
短縮して生まれた時間は子どもたちと接する時間に充てられ、保育士が行う自己評価の第一段階である「子どもの理解」もより深めることができるでしょう。
また、ICTシステムによって情報が一元管理されることで、園児の個別支援計画やこれまでの記録なども他の職員と共有しやすくなります。
職員間の連携が取りやすくなることで人間関係が円滑になれば、保育士の精神的な負担の軽減も期待できるでしょう。
 

 

保育ICTシステム「うぇぶさくら」の導入で保育の質の向上を

保育ICTシステムには、保育士の業務負担を減らして保育の質の向上も期待できるというメリットがあります。
現在さまざまなICTシステムが提供されていますが、導入の際には自園のニーズに合った保育ICTシステムかどうかを検討する必要があります。
総合保育管理システム「うぇぶさくら」は、保育園の先生たちの希望から開発されたシステムです。
「うぇぶさくら」は業界でいち早く保育管理システムの開発に携わり、現場の保育士の声を聴きながら改善を重ねて進化してきました。
園の複雑な管理業務をWeb上で一元管理でき、簡単操作、充実のサポートが特長です。
事務作業の負担を軽減して保育の質の向上に取り組む際には、ぜひ保育士のニーズに対応できる「うぇぶさくら」の導入を検討してみてください。

▼総合保育管理システム うぇぶさくら
https://web-sakura.jp/

弊社でもうぇぶさくらを取り扱っておりますので、お問い合わせはお気軽にどうぞ!
https://moqul.net/contact

 

まとめ

保育の質とは相対的・多元的なもので、捉えるための観点として「内容」「環境」「人材」の3つがあります。
それぞれの観点において保育の質を高める取り組みが行われてきていますが、その中でも子どもと触れ合う時間を確保することが保育の質につながります。
時間の確保は業務を効率化によって可能となり、そのために活用できるのがICTシステムです。
ICTシステム導入の際には、幅広い保育士のニーズに応えられる「うぇぶさくら」の検討がおすすめです。

(執筆者:山口 史 )

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