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中学校の部活動送迎、小学校の統廃合対応とは違う課題【部活動の遠征・送迎シリーズ第6回】

スクールバス

2026/09/14 (更新日:2026/09/05)

【連載シリーズ 第6回/全7回】部活動の遠征・送迎を見直す
第1回はこちら:部活動の遠征、移動手段の安全確保は十分か?文科省通知から読み解く
第2回はこちら:部活動の遠征バス、実は「顧問・学校任せ」になっていないか
第3回はこちら:貸切バス・自家用車・教員運転、遠征の移動手段ごとの法令上の注意点
第4回はこちら:部活動の「地域移行」で増える、学校外への移動ニーズ
第5回はこちら:遠征中の位置情報共有、保護者・学校間でどう仕組み化するか

moqul.netでは以前、「学校統廃合とスクールバス」というシリーズで、小中学校の統廃合に伴う通学バスの検討タイミングについてご紹介してきました。今回は、中学校の部活動に絞って、小学校の統廃合対応とは異なる、独自の移動課題を整理します。

小学校の統廃合対応との違い

学校統廃合に伴うスクールバスは、基本的に「毎日、同じ時刻に、同じルートを運行する」という、通学という一つの目的のための移動です。利用対象の児童生徒数や停留所の位置は、事前の計画段階である程度固定できます。

一方、中学校の部活動に伴う移動は、性質が大きく異なります。大会・練習試合の頻度が高く、その都度、行き先・時刻が変わります。加えて、複数の部活動が同時に別々の会場へ向かうこともあり、通学バスのような「一つの固定されたルート」という前提が成り立ちません。

急増する「合同部活動」という新しい移動ニーズ

中学校特有の課題として、近年急速に増えているのが「合同部活動(合同チーム)」です。少子化により、単独の学校では部員数が集まらず、チームを維持できない部活動が増えたことを背景に、複数の学校の生徒が合同でチームを編成するケースが広がっています。

全国的なデータを見ると、中学校の合同部活動実施チーム数は、平成25年度の595チームから、令和5年度には2,870チームへと、10年間で約5倍に増加しています。ある県の事例では、合同チームの登録数が13年度の21チームから、直近では97チームまで増えているという報告もあります。

合同部活動では、生徒が日常の練習のために、自分の在籍校以外の学校へ移動する必要が生じます。これは遠征のような非日常的な移動ではなく、部活動がある日は日常的に発生する移動です。学校統廃合による通学距離の増加とは異なる形で、生徒の移動範囲が広がっているといえます。

合同部活動の移動負担

合同部活動が広がる一方で、練習試合が遠方で開催される場合の送迎の負担や、金銭的な負担が課題として指摘されています。学校単位で完結していたときには発生しなかった、学校間の移動という新しい負担が、生徒・保護者にのしかかっている実情があります。

中学校特有の時間帯の課題

中学校の部活動は、早朝や夕方以降の時間帯に活動することも多く、下校時刻が日によって大きく変動します。特に冬場は、下校時刻がすでに日没後になっているケースも珍しくありません。通学時とは異なり、暗い時間帯の移動における安全確保も、あわせて考える必要があります。

学校統廃合シリーズとの接続点

以前の「学校統廃合とスクールバス」シリーズでは、位置情報や乗降管理などのシステムについても、学校施設の計画段階から早めに検討しておくことが望ましいとお伝えしました。この視点は、合同部活動をはじめとする中学校の移動課題にもそのまま当てはまります。

行き先・時刻がその都度変わる中学校の部活動送迎だからこそ、通学用のスクールバスやその位置情報共有の仕組みを応用できないか、早い段階から検討しておく価値があります。

次回は、これまでの内容を踏まえ、部活動の遠征を「安全に、仕組みで」支えるための体制づくりについて、シリーズのまとめとしてご紹介します。

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よくある質問

Q. 「合同部活動」とは何ですか?

少子化により単独の学校では部員数が集まらない部活動について、複数の学校の生徒が合同でチームを編成する仕組みです。中学校の合同部活動実施チーム数は、全国で10年間に約5倍に増加しています。

Q. 合同部活動では、どのような移動が発生しますか?

生徒が日常の練習のために、自分の在籍校以外の学校へ移動する必要が生じます。大会などの非日常的な遠征とは異なり、部活動がある日は日常的に発生する移動である点が特徴です。

Q. 中学校の部活動送迎で、通学バスの対応と違う点は何ですか?

通学バスは毎日同じ時刻・ルートで運行できますが、部活動の移動は大会・練習試合の頻度や行き先がその都度変わります。また、早朝・夕方以降の活動も多く、暗い時間帯の移動への配慮も必要になります。

Q. 学校統廃合とスクールバスのシリーズと、この記事はどう関係しますか?

学校統廃合シリーズでは、位置情報や乗降管理などのシステムを施設計画の早い段階から検討する重要性を紹介しました。行き先・時刻が変わりやすい中学校の部活動送迎にも、同じ視点が当てはまります。

まとめ

  • 中学校の部活動送迎は、通学バスのような固定ルートの前提が成り立たず、行き先・時刻がその都度変わる
  • 少子化を背景に「合同部活動」が急増しており、日常的な学校間移動という新しい課題が生じている
  • 合同部活動では、遠方での練習試合による送迎負担・金銭的負担が指摘されている
  • 早朝・夕方以降の活動も多く、暗い時間帯の移動への安全配慮も必要
  • 学校統廃合シリーズで紹介した「早期のシステム検討」という視点は、中学校の部活動送迎にも応用できる

参考資料

スポーツ庁「部活動の地域連携・地域移行と地域スポーツ・文化芸術環境の整備について」(日本中学校体育連盟「加盟校・加盟生徒数調査」データ引用)
https://www.mext.go.jp/sports/content/20240821-spt_oripara-000037466_0011.pdf


この連載の記事一覧

  • 第1回:部活動の遠征、移動手段の安全確保は十分か?文科省通知から読み解く
  • 第2回:部活動の遠征バス、実は「顧問・学校任せ」になっていないか
  • 第3回:貸切バス・自家用車・教員運転、遠征の移動手段ごとの法令上の注意点
  • 第4回:部活動の「地域移行」で増える、学校外への移動ニーズ
  • 第5回:遠征中の位置情報共有、保護者・学校間でどう仕組み化するか
  • 第6回:中学校の部活動送迎、小学校の統廃合対応とは違う課題(この記事)
  • 第7回:部活動遠征を「安全に、仕組みで」支える体制づくり(近日公開)


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