遅れすぎるとクレーム多発!路線バスや自動車学校など各種スクール送迎バスの運行事情とは?
お役立ち情報
2022/06/10
現在、路線バスを始め、自動車学校やスイミングスクールなどの各種スクール、保育施設や介護施設の送迎バスまで、さまざまなニーズに合わせてバスが運行されています。
定時運行を心がけても、さまざまな理由で予定時刻から遅れてしまう場合がありますが、バスの遅延はトラブルの原因にもなり、多くの厳しいクレームがよせられる事態になります。
この記事では、バスが遅れる理由や遅延・クレームの予防策と対処法を解説。バス遅延に関するクレームを減らすために効果的な、位置情報通知システムもご紹介します。
日本の乗客は、バスの遅れに厳しい!
路線バスや自動車学校、スイミングスクールなどの送迎バス、幼稚園・保育園の送迎バスなどに、最も多く寄せられるのが、バスの遅れに関するクレームです。
交通事情や乗客対応など、さまざまな理由で定刻どおりに運行できないケースがあることは、利用者も理解しているでしょう。
しかし、到着時刻にバスが遅れてしまった際には、運転手に対して「遅れすぎだ、どうなっているんだ」などと厳しい言葉で怒鳴る乗客は珍しくありません。
バスの運転手の多くが、強いクレームに過敏になり、気にしながら運転を行うことで、安全運行が阻害され、事故が起こりやすくなっている状況もあります。
海外では、逆に電車やバスが遅れて到着するのは当たり前のことで、日本へ旅行で訪れた外国人客は、そのギャップと正確さに驚く人が多いようです。
日本の乗客は、少しバスの遅れに厳しすぎるのかもしれません。
路線バスや各種スクールなどの送迎バスが遅れる理由
では、そもそもなぜバスは遅れるのでしょうか?
まず、1つ目の理由として、バスが予定時間より早く出発する「早発」が、「旅客自動車運送事業運輸規則」で違反となっているためです。
路線バスはこの法律を遵守する必要があるため、制限速度で走行した場合の最短時間をベースに決められています。つまり、もともと「早発」を防ぐために、遅れて到着するよう設定されているのです。
自動車学校やスイミングスクールなどの各種スクール送迎バスや、保育園・介護施設の送迎バスで、各施設の運営会社により無料で運行されている場合は、上記には当てはまりません。
しかし、予定時刻より早く出発してしまうと、乗るはずだった利用者が乗車できず、利便性に欠けてしまうため、できるだけ早発を防ぎながら運行しているのが現状です。
2つ目の理由は、道路の渋滞や事故などの交通事情の影響。朝夕のラッシュ時や予想外の事故が発生し、ルートの迂回が必要な場合には、どうしても予定より移動時間がかかってしまいます。
さらに3つ目の理由として、乗客対応によるタイムロスが挙げられます。到着時刻や乗り換えなどの問い合わせに答えるため、小さなお子さんや高齢者が乗り降りしたりする場合にも、時間がとられることがあります。
このように、バスが遅れるのにはさまざまな原因と理由があり、遅延を完全に防ぐことは難しいといえます。
バスが遅れるとこんなトラブルが!
しかし、法律を遵守するためとはいえ、利用者の立場からするとバスの遅れは困りもの。トラブルの元にもなってしまいます。
施設やケース別に、想定されるトラブル例をご紹介します。
自動車学校の場合
送迎バスを利用して自動車学校に通っている利用者。
送迎バス到着時間と自動車学校の講習開始までの時間がかなり短く、送迎バスが少しでも遅れると講習を受けることができません。
実際にバスが遅れた際は受講をキャンセルせざるを得ず、ついにキャンセル料まで発生してしまう事態に。
利用者は自動車学校にクレームを入れました。
スイミングスクール、サッカースクールなど各種スクールの場合
スイミングスクールへバスで子どもを通わせている利用者。
スクールへの送迎バスが遅れ、スイミングの授業が始まる時間になってもバスが来ません。
スイミングスクールからは「遅れていますが今向かっています」という連絡のみで、結局授業に間に合わないので、その日はバスを利用せず、休むしかありませんでした。
その事があってからスクール関係者への信頼感が薄れ、他のスイミングスクールへの変更も検討しています。
幼稚園や保育園の場合
幼稚園に送迎バスで子どもを通わせている利用者。
帰りのバスが一時間近く、遅れてきたことがありました。
事故でもあったのかと心配になり、理由を聞いても、先生は「すみません」と言ったきり。
その後、園からも遅れた理由の説明や謝罪もなく、不信感は募るばかりです。
社員送迎バスの場合
会社の送迎バスで出勤している従業員。
ある日、交通事情によりバスが大幅に遅れてしまい、焦った運転手が事故を起こしてしまいました。
利用者は怪我を負い、治るまで病院に通ってから出社しなければなりませんが、送迎バスの出発時間には間に合わず、困り果ててしまいました。
また、事故はニュースでも取り上げられ、企業イメージも損ねる結果となりました。
高齢者施設・福祉施設の場合
送迎バスでデイサービスに通う高齢者の母親を持つ利用者。
足が悪く認知症の母親とは同居中で、介護のため忙しい毎日を送っています。
日によって送迎ルートが変わるためか、お迎えの時間にはいつもばらつきがあります。
その日の朝は、30分以上遅れて、送迎車がやってきました。
もしあらかじめ遅れることがわかっていたなら、その間に掃除も洗濯もできたのに……と、やり場のない不満を抱えています。
バス遅延の予防策とクレームの対処法
では、バスの遅延をできるだけ発生させないためにできること、そして実際にバスが遅れ、クレームが寄せられた際にはどのような対処が必要なのでしょうか?
予防策と対処法を解説していきます。
掲示で乗客からの話しかけを最低限に
バスの運転中に、運転手が行き先や乗り換えなどについて話しかけられると、安全運行ができず遅延の原因になります。
対処法として「走行中運転手に話しかけないでください」と知らせるポスターをバス内に掲示しておくことが有効です。特に運転席近くに、目立つような注意書きを貼りだしておきましょう。
転倒防止のために呼びかけを
バス車内で転倒事故が発生し、乗客が大けがを負ってしまうと、大幅にバスが遅れてしまいます。予防するためには、徹底的な呼びかけが必要です。
きちんと着席し、立っている利用者には必ずつり革や握り棒を握ってもらえるよう、繰り返しアナウンスをしましょう。
クレームには謝罪と理解を求める説明を
さまざまな予防策をとっても、バスが遅れてしまい、利用者からクレームを受けた場合には、誠意ある対応が必要になります。
クレーム対応のポイントは、その怒りを鎮めること、そして話をよく聞き、理解することです。
交通事情で到着時刻が遅れるのはもちろん運転手のせいではありません。利用者もそれを理解はしているものの、イライラせずにはいられない状況になっています。
まずは、心を込めて謝罪します。「皆さまお急ぎのところ、渋滞によりバスが遅れてしまい、まことに申し訳ございません」などとアナウンスし、利用者の立場になって謝ることが大切です。
クレームを受けているときは、途中で言葉を挟まず丁寧に話を聞いた後、理解を求めて説明します。言葉遣いに気をつけ、冷静に対応しましょう。
位置情報通知システムがクレーム予防に効果的
こうしたバスの遅れに関するクレームを予防するために、非常に有効な対策が「位置情報通知システム」の導入です。
位置情報システムを使用することで、乗客はバスが現在走っている場所を随時把握できます。
バスが遅れる時にも事前に状況の理解ができるので、バスが到着した際に、クレームを受けるという事態は大幅に減ることが予想できます。
「モークル」で遅延クレームを減らし、利用者の満足度アップ
バス遅延のクレーム予防対策として紹介した「位置情報通知システム」の中でも、特におすすめなのが、LINEでの 位置情報通知ができる「MOQUL(モークル)」です。
専用のアプリなどをインストールする必要はなく、普段利用しているLINEを使用し、簡単操作ですぐに利用できるのが最大の特徴。
「今どこ?」ボタンをタップするだけで、送迎バスの位置情報を取得でき、リアルタイムで送迎バスの現在位置を正確に知ることが可能です。
情報は一方的に通知されるのではなく、利用者が問い合わせた時だけ通知される点も、「モークル」のうれしいポイントです。
バスが遅れる場合にも、利用者の不満や不安を解消でき、利便性が高まることで利用者の満足度もアップできる「モークル」。ぜひ導入を検討してみてはいかがでしょうか?
まとめ
- 日本の乗客はバスの遅れに厳しく、運転手も強いクレームに過敏になっている
- バスが遅れる1番の大きな理由は、法律違反となる「早発」を防ぐため
- バスの遅れはさまざまなトラブルの発生原因にも
- クレームを予防するための対策が重要で、クレーム発生時は丁寧な対応が必要