【連載シリーズ 第5回/全7回】私立中学・高校のスクールバス活用術
スクールバス
2026/08/24 (更新日:2026/08/01)

【連載シリーズ 第5回/全7回】私立中学・高校のスクールバス活用術(第1回はこちら)
2022年9月、静岡県内の認定こども園で送迎バスへの置き去りにより園児が亡くなるという痛ましい事案が発生しました。これを受けて政府は「こどものバス送迎・安全徹底プラン」を取りまとめ、送迎用バスへの安全装置の装備を義務化しています。私立中高でスクールバスを運行している、あるいは導入を検討している場合、この義務化がどこまで自校に関係するのか気になるところではないでしょうか。この記事では、私立中高における対応の考え方を整理します。
「安全装置の装備」が義務化されているのは幼稚園・特別支援学校
結論から言うと、送迎用バスへの安全装置の装備そのものが法令上義務化されているのは、保育所・幼稚園・認定こども園・特別支援学校(幼稚部)です。私立中学・高校は、この装備義務化の対象には含まれていません。
ただし「所在確認(点呼)」は私立中高も義務の対象
一方で、政府の通知では、乗降車時の点呼等による児童生徒の所在確認については、小学校・中学校・高等学校等も含めて義務付けるとされています。つまり、安全装置そのものの設置は任意であっても、「バスを降りた生徒が全員無事に降車したかを確認する」という運用面のルールは、私立中高も対応が求められています。すでに点呼を実施している学校も多いと思いますが、あらためて自校の運用ルールが明文化されているか確認しておくとよいでしょう。
義務でなくても安全装置を導入するメリット
安全装置の設置義務がないとはいえ、導入するメリットは私立中高にとっても小さくありません。
- 点呼の確認漏れをシステム面からもカバーできる(ヒューマンエラーの補完)
- 保護者に対して「安全管理に力を入れている学校」という姿勢を示せる
- 万一の事故・トラブル発生時に、対応の経緯を客観的に説明しやすくなる
特に私立中高は、学校選びの際に安全管理体制を重視する保護者も多いため、義務の有無にかかわらず、安全装置やドライブレコーダーの導入を検討する価値は十分にあります。
安全装置導入にあたっての補助金
安全装置の装備が義務化されていない小・中学校についても、国は財政支援を行う方向で検討を進めており、義務化対象外の学校種についても支援の動きがあります。私立中高でも活用できる補助制度がある可能性があるため、導入を検討する際は、所轄の都道府県私立学校主管部課や、こども家庭庁が公表している安全装置ガイドライン適合製品のリストなどをあわせて確認することをおすすめします。制度の詳細や対象範囲は変更される可能性があるため、最新情報の確認が欠かせません。
安全管理の実効性を高めるポイント
安全装置を導入する場合も、それだけに頼るのではなく、運用ルールとあわせて機能させることが重要です。
- 装置の警報が鳴った際の対応フローを事前に決めておく
- 点呼の実施記録を残し、誰が確認したかを明確にする
- ドライバー・添乗員・教職員の間で、確認結果の共有ルールを統一する
また、運行状況をリアルタイムで把握できる仕組みがあれば、遅延時の対応や緊急時の位置確認もスムーズになります。この点については、次回の保護者への情報共有の記事、および第7回の活用事例でも詳しく紹介します。
まとめ
- 送迎用バスへの安全装置の設置義務化は、幼稚園・特別支援学校が対象で、私立中高は義務化の対象外
- ただし、乗降車時の点呼による所在確認は私立中高も義務の対象になっている
- 義務がなくても、保護者からの信頼向上や事故対応の観点から、安全装置導入の検討価値は高い
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次回:「保護者に選ばれる学校へ:スクールバスの情報共有・連絡体制」(8月26日公開予定)
この連載の記事一覧
- 第1回:私立中学・高校がスクールバスを導入するメリットとは
- 第2回:スクールバス導入にかかる費用相場と契約形態(自社保有 vs 運行委託)
- 第3回:スクールバスの運転手、採用は自校で行うべき?業者に任せるべき?
- 第4回:遠方通学者を取り込む!広域スクールバスのルート設計のコツ
- 第5回:スクールバスの置き去り防止安全装置、私立中高は義務化の対象?(この記事)
- 第6回:保護者に選ばれる学校へ:スクールバスの情報共有・連絡体制(8月26日公開予定)
- 第7回:私立中高のスクールバス活用事例(モークル導入校の声)(8月28日公開予定)






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